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アラフィフ以降のリタイア計画 会社の制度見極めよう

70歳リタイア時代の働き方(3)

アラフィフにとって60歳までの時間は貴重だ

今月の「Life is MONEY」は70歳現役社会をどう生きるかというテーマです。引退年齢は自分で決めるのが来るべき時代だと話をしましたが、あなたの年齢によって、若干の違いがあります。

差し迫ったリタイアとどう向き合うか

今週はまず、アラフィフ(45~55歳まで)の世代、あるいはそれ以上の世代のリタイア計画を考えてみたいと思います。

この世代のポイントは、引退年齢の切り替わりの端境期にある、ということです。

すでに60歳になっていて、会社が65歳までの継続雇用制度を採用している場合、今後5年間で70歳までの継続雇用に変更される可能性は低いでしょう。しかし、40歳代の読者であれば、60歳になる頃には70歳まで働ける雇用制度に変わっている可能性が大いにあります。

一方で、現在50歳代にとっては会社がどう動くかなお未知数です。先行する企業は70歳雇用に素早く動きますが、法律上の完全義務化を待つ企業もあるでしょう。

まずは65歳リタイアを 労働条件の改善に期待

基本的なリタイア戦略としては「65歳までは働く」「チャンスがあればそれ以降も働く」という2段構えになります。

仮に60歳での起業や他社への転職などを志している場合でも、会社には「継続雇用を希望」と伝えておくといいでしょう。結果として良縁かつ好待遇の案件がほかにあれば、60歳で定年退職しても責められることはありません。むしろ会社が困るのは「オレは60歳で辞める」と言っていた社員が、ギリギリになって「やっぱりお世話になります」と言い出すことです。会社に拒否されて、いきなり60歳から無収入生活に突入することは避けたいものです。

65歳までの雇用条件は今後向上が期待できます。継続雇用というと「60歳から5年は雇ってあげるのだから低賃金で正社員なみに働け」あるいは「低賃金なのだからバイトレベルの単純作業をしていろ」というイメージがありますが、徐々に変化が生じつつあります。

目の前はともかく長期的には人材不足の傾向が続きますから、60歳以降も正社員なみの貢献を期待する会社が増えていきます。そこに、同一労働同一賃金の取り組みが実を結び、低賃金でこき使うことは法的にも許されなくなっているからです。

これからは「賃金がしっかり確保できるなら仕事もしっかり貢献が求められる」という60歳代前半になっていくことでしょう。できればあなたの能力を発揮できる職場で65歳まで働きたいものです。

できれば70歳現役を目指そう

すでに定年を迎えた人は65歳が近づいてきたら、会社の雇用制度をみつつ、また社外での働くチャンスを模索しながら「自分のリタイア年齢」を検討していきます。これからの10年は、60歳代後半の雇用制度が各社で設定されていく期間になります。自分の60歳、あるいは65歳到達段階でどのような制度になるか、自社の制度をしっかり見極めて、選択をしたいものです。

60歳代後半は、「フルタイムで正社員なみに働く」「年収100万円程度でのんびり働く」「会社は離れて社会貢献の仕事(無報酬も含む)で働く」のような選択肢を、手元の資産状況と働きがいのバランスで考えていくといいでしょう。

社内制度を活用するだけが選択肢ではありません。社外に飛び出して良縁を求めてみるのもいいでしょう。起業については初期投資を抑えて無理なく始めることをおすすめします(老後に借金はつくらないほうがいい)。

60歳までの時間を無駄にせず資産形成を

アラフィフ以降の世代にとっては「何歳まで働けるかまだ不透明」という問題がありますが、ひとつできることがあります。

今からリタイアまでのあいだ、少しでも資産形成の上積みを考えてみることです。特に60歳より若い読者はその時間を有効活用して、ローンの返済や資産の積み立てをしてみましょう。ローンの早期返済に励み、退職金での相殺を減らすことができれば、これは実質的に老後資産形成と同義です。むしろ返済利息が軽減される分、有意義です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は来年、65歳まで積み立てできるように法改正されます(一定の条件あり)。つみたてNISA(少額投資非課税制度)も活用できます。

55歳の人が60歳で正社員ではなくなるとしても、まだ10回くらいのボーナス支給があります。例えば15万円ずつ積み立てておけば150万円の上積みができます。これだけのプラスが老後に確保できれば、10~15回ほどの国内旅行が引退後に設定できます。

「今さら100万円なんて」と思わず、少しでも老後のための資金上積みをがんばってみてください。いざ引退してみると、50歳代の努力が「老後にできること」を増やしてくれたと痛感することになるはずです。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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