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春こそ「増やす」ために行動 正解は積み立て

春の家計見直し術(4)

写真はイメージ=PIXTA

今月は4月の家計見直しをテーマにLife is MONEYについて考えてみましたが、最後に考えるのは資産形成です。

あなたにお節介を焼く人はいない

「お節介」というのは基本的にネガティブなニュアンスをもつ言葉です。意に沿わないことを押しつけられるのは確かに苦痛です。しかし「よいお節介」もないわけではありません。例えば資産形成に関するお節介があります。

米国では行動ファイナンスの見地から「よいお節介」を行う仕組みがあります。日本の確定拠出年金にあたる401(k)プランは「新入社員は必ず入る」「給料の一定割合をためるよう定められている」「分散投資を行う」という仕組みになっています。イヤならそれぞれ自分で手続きをして変更することができますが、かなり強いお節介です。

しかし、これにより401(k)プランの平均口座残高は10万ドル(約1100万円)を超え、米国の老後資産形成の厚みに大きく貢献しています。

こうしたお金のお節介は日本ではほとんどありません。会社は給料の使い方まで踏み込んではこないからです。

そうなると、自分で何か行動を起こす必要があります。行動を起こすならやはり新年度に入った4月です。

積立定期預金、財形貯蓄を始めてみる

新社会人やこの春、心機一転、貯蓄をしたいと考えている会社員の皆さんがまずやるべきは「積立定期預金」もしくは「財形貯蓄」です。これらは自動的に貯蓄される仕組みなので、確実に残高を増やせるメリットがあります。

財形貯蓄は給与から天引きされるので、給与が振り込まれた時点ですでに積み立てができていますし、給与振込日の翌日あたりに積み立て定期を行うことができれば、「残りの金額で1カ月過ごす」という目標も明確になります。

給料振込日までに貯蓄分を残そうと1カ月過ごすのは「お金があるのに使ってはいけない」というイライラにつながります。先取りするほうが気持ちも楽です。だまされたと思ってまずは月1万円、できれば手取りの10%くらい、積み立てを設定してみることをお勧めします。

積み立てで投資デビュー

「投資に興味があるんだけど、なかなか始めるきっかけがなくて……」という人も多いようですが、これも積み立て投資をスタートすることで解決します。

積み立て投資とは毎月一定額を買い付ける仕組みです。投資信託を活用すれば個別の銘柄選びや株価の変動はあまり気にせず投資が行えます。ゼロからのスタートで始められるのもメリットです。

特に投資未経験者にとって心配なのは価格の変動です。ゼロからの少額積み立てであれば、価格変動の影響を金額ベースで抑えることができます。いきなり100万円を投資して30%値下がりしたら耐えられない人でも、1万円の積み立てを始めてまだ数カ月であれば、株価回復まで待ってみようと頑張れるはずです。

積み立て投資に最適なのは積み立て型の少額投資非課税制度、つみたてNISAでしょう。年間40万円の投資枠ですから、初心者には十分だと思います。最大で20年間、配当や運用益が非課税になる投資ができますので、できるだけ長期の積み立て投資をしてみたいところです。

老後資産形成を意識したいならiDeCo(個人型確定拠出年金)もおすすめです。2022年10月からは企業型確定拠出年金が導入されている企業でもiDeCoの併用がしやすくなります。こちらは所得税や住民税の軽減効果が大きいことが魅力です。しかし60歳まで原則解約できない制約もあり、若い人は利用に注意をしてください。

すでに積み立てしているなら増額手続きも

さて、すでに積み立てをしている人にはこの春にやってみてほしい提案がひとつあります。

それは「積立額の増額」です。積み立てをスタートするとき金額を指定しますが、これは自分が変更をしない限りそのままの金額が固定されています。年収が増えて貯蓄余力が高まっているのに、そのままにしていることで資産形成のペースが速まらないのはもったいないことです。

理屈としては「積み立て開始時の額が給与の○%」であったなら、年収が増えたときには、その割合が維持できるように積立額を増額していきます。給与の定率で積立額が自動増額されれば便利なのですが、金融商品のほとんどは対応していません。春には増額のチェックをしたいところです。

金額で考える場合は、iDeCoやつみたてNISAは限度額が比較的小さいので、満額でない場合はまず、この積立枠を使い切ることを目指して増額をしてみましょう。結婚していたら夫婦でダブルiDeCo、ダブルNISAの満額を目指します(それぞれひとり1口座しか開設できないため)。

財形や積立定期預金についても、年収増に応じた積立額の増額をしてみます。財形については受付期間が社内で設定されていることが多いので忘れずに手続きしておきましょう。

預金については金利が低い現状では、利息にほとんど期待することができません。それより「毎月の積立額の増額」が将来の資産増を大きく左右します。積立額のアップは、将来の資産増を確実に引き寄せる選択肢です。この春、昇格・昇給が実現した人は忘れずに貯蓄増額もしておきましょう。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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