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日経平均、11月は30年ぶりの上げ幅 データで見ると…

なるほど日経平均70周年(3)

2020年11月の日経平均株価は月次ベースで3456円49銭と大きく上昇した(11月25日)=AP

70年におよぶ算出の歴史を持つ日経平均株価。その上げ下げに関するデータは膨大ですがこれをひもとくと、いまの「立ち位置」が見えてきます。

11月はあれよあれよという間に日経平均が2万6000円台を回復しました。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がもたらす経済活動への打撃を警戒し、月次終値として2万円を割りこんだのは今年3月のこと。3月の終値は3年ぶりの安値水準(1万8917円01銭)に落ち込みましたが、その後は回復基調をたどっています。ただ11月はその歩みが急ピッチとなり、10月末から3456円49銭と大きく上昇しました。

30年ぶりの月間上昇幅だった11月

新型コロナの世界的な感染拡大はいまだに収まっていません。ただ11月は「開発中のワクチンが高い有効性を示した」という海外製薬会社のアナウンスが相次いだため、3月のような先行きへの悲観や経済停滞への警戒感が和らぎました。日米欧の中央銀行が金融緩和姿勢を保つなか、潤沢な投資マネーが世界の株式に向かい、優良銘柄が占める日経平均にも流れが波及したともいえるでしょう。

ひと月で3400円強も上昇するという11月の上げ幅記録は、そうめったにあるわけではありません。70年分のデータで振り返ると、1990年10月の4210円60銭以来、実に30年1カ月ぶりの大きさです。

90年といえば、イラクがクウェートを侵攻し湾岸危機が起き、東西ドイツが統一するなど世界が大きく動いた年ですが、日経平均にとっても大きな転換点となっています。算出以降、大きくいえば日経平均は上昇ペースを保ってきましたが、90年は前年末の史上最高値から急落し、1万5067円16銭安となりました。年間の下げ幅が歴代で唯一1万円を超えたワースト記録を持つ年です。

8月と9月の下げ幅はそれぞれ5000円前後と大きく、急速に相場の調整が進むなか、政府が打ち出した株価政策が材料となり、相場が急反発したのが90年10月でした。この時以来の上昇の勢いを見せたのが2020年11月だったのです。

月間に占める「上昇日数」で見れば平凡?

上昇スピードが速く感じられた11月は全19営業日中、前の日から上昇した日は合計14ありました。月間の全営業日に占める上昇日数の比率は73.68%ですが、歴代では35位という水準です。月単位で算出できるようになった1949年6月以降、約70年の歴史でもっとも上昇日数の比率が高かったのは意外にも最近の話で、2017年10月でした。主要企業の好業績に加え、衆院選での与党大勝により金融緩和を中心にした政策の継続を期待した買いが続き、歴代最長の16連騰を記録した月でした。

1年で上がりやすいのは何月?

今年の大きな上昇を見ると、そもそも11月は上がりやすい月だったのではないかと思う人がいるかもしれません。そこで1949年6月以降、約70年の全データで月別の上昇日数比率を出してみました。11月は49年から2020年までに1565営業日ありました。このうち上昇した日は820日あり、比率は52.39%で、これは12カ月中8位にとどまる水準です。11月として今年は健闘した、といっていいのかもしれません。

ちなみに、月次終値で比較した場合、前の月より上げた場合を「勝ち」として、その勝率を見ると、11月は12カ月中5位の58.33%でした。上昇日数と勝率でトップだったのは1月です。上昇日数比率は56.12%で、月次の勝率は69.01%と実に7割近い確度で月次終値が上昇しやすい月となっています。新しい年の始まりで、新規の投資マネーが入るタイミングなのかもしれません。

70年で蓄積したデータを使えば、様々な形で日経平均の傾向を読み取ることができそうです。歴史とともに考えてみると、いまの動きも違って見えるでしょう。

日経の指数公式サイト「日経平均プロフィル」ではヒストリカルデータを提供しています。サイトのトップ画面にあるアーカイブのタブからヒストリカルデータへ飛ぶと、日次、月次、年次の数値を確認できます。

(インデックス事業室 遠藤繁)

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日経平均株価は日本を代表する株価指数として国内外で知られています。このコラムではその算出方法や銘柄選定の考え方をはじめ、過去の出来事をもとに経済状況が株価に及ぼす影響などを解説します。豊富なデータをもとに、株式市場の現状やトレンド、今後の見通しなどを考えていきます。

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