/

マンション探し 自由にリノベできる物件の見分け方

20代からのマイホーム考(14)

中古マンションの取引が増えるとともに、自分なりにリノベーションしたいと考える人が増えています。自分なりのリノベーションとはいえ、なんでもかんでも好きなようにレイアウトを変えることができるわけではありません。マンションには構造上、様々な制約があります。レイアウト上の制約となる3つのポイントを知っておけば、自分なりの空間を創ることができる中古マンションを探すことができるようになります。

壊せない壁や梁を確認

マンションのお部屋内の壁には、撤去できる壁とそうでないものがあります。一般的にコンクリートの壁は構造壁であることがほとんどで、解体したり穴をあけたりすることはできません。建物の構造を支える壁や梁を撤去してしまえば、耐震上も問題になります。

また、コンクリート壁にエアコンのスリーブ(穴)を勝手に開けてしまうのも問題です。まれに鉄筋を切除してしまうということもあり、耐力的に問題になります。追い炊き機能のあるバスルームに変更する際、配管をもう一本追加するケースがあり、その際、構造壁を貫通させないと設置できないことがあります。この場合は追い炊き機能に変更できないこともありますので注意が必要です。

水回りの位置にも限界あり

古いマンションの場合、キッチンが壁側に設置されていることが多いですが、アイランドキッチンなどのように、ダイニング側にキッチンを移動させたいという話はよく聞きます。この程度の移動ならばさほど問題にはならないと思いますが、まったく別の場所に移動したいという場合、新たに設置する排水管の経路が問題になります。

当然のことながら、排水は高いところから低いところへ流す必要があります。マンションの場合、流す場所は共用している縦管に接続して排水します。縦管はマンション図面ではパイプスペース(PS)と書かれている部分に設置されており、ここに接続させるまで一定の傾斜が必要となります。

キッチンなどの水回りがPSに近ければ問題はありませんが、PSから遠くなると排水に必要な傾斜をとるために一定の高さが必要となります。床を上げれば水回りがPSから遠くても設置できますが、床を上げすぎると天井高(天井と床の間隔)が少なくなりますので、圧迫感のある空間になってしまうことになります。このように、水回りの場所を変えたい場合、PSの位置や次に述べる階高をしっかりチェックしておく必要があるのです。

階高が自由度を決める

レイアウトの自由度を決める重要な要素の一つとして階高(かいだか)があると筆者は考えています。階高とは、スラブ(フローリングの下にあるコンクリート床)の面から、上の階のスラブ面までの高さを言います。天井高という言葉はよく聞かれると思いますが、これは、図のようにフローリング面から二重天井面までの内側の高さを言います。

階高が高ければ、天井高をキープしつつも二重天井、二重床とスラブとの間の幅を取りやすくなります。二重天井ならば、居室のレイアウトがどう変わっても、それに合わせた照明の配線が可能になります。二重床であれば、傾斜を取りやすくなる分、水回りの配置の自由度が高まります。

二重天井とスラブの隙間を8センチメートル、二重床とスラブの隙間を12センチメートル、スラブの厚みを20センチメートルとすると、天井高を250センチメートル以上にしたい場合、階高は290センチメートル必要になります。階高が290センチメートル以上のマンションとなると限定されますので、天井高にこだわるかこだわらないかを決めたり、リビングを直(じか)天井にして高さを保ったりするなどの工夫をする人が多いようです。

建物に詳しい専門家に相談を

撤去できない壁、PSの位置、階高など自分で設計図を見て確認するという方法もありますが、まずは不動産仲介会社の担当者に聞いてみるとよいでしょう。ただ、担当者によっては建物に詳しくないケースもありますので、その場合には建築士や工務店にサポートしてもらうのも一考です。また、最近ではリノベーション専門の不動産仲介会社もありますので訪ねてみてもよいと思います。

田中歩(たなか・あゆみ)
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、「あゆみリアルティーサービス」を設立。不動産・相続コンサルティングを軸にした仲介サービスを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」にも参画。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン