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貯蓄ゼロからスタート 黄金方程式で「たまる家計」に

Dr.マネーお悩み外来 Vol.18

お金の悩みは千差万別。でもご安心ください。解決策は必ずあります。「Dr.マネーお悩み外来」では、あなたがお金と上手に付き合い、より豊かな人生が送れるようファイナンシャルプランナー(FP)の白鳥京香がお手伝いいたします。本日もお金の悩みを抱えた人が「白鳥FP事務所」のzoom相談にやってきました。

Case12: 2021年最初のご相談は転職、一人暮らしを始めたことで貯蓄がゼロになってしまったという会社員のLさん(30歳女性)です。「将来が不安なので投資を始めたい」と言います。貯蓄がなくなってしまったことで少々焦りを感じているようです。

Lさん 長く働けるように一念発起して資格を取って転職しましたが、今現在は貯蓄ゼロです。預貯金だけではお金は増えないので、イデコ(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)でしっかり投資をしていきたいと思います。

白鳥 頑張って資格を取得され、長期的なライフプランを立てて新しい人生を歩み始めたLさん、すばらしいですね。ただ、投資信託などリスクのある商品を購入する投資は、価格が大きく下がることもあります。貯蓄ゼロでスタートした場合、仮にお金が必要になったときには損を覚悟で商品を売却したり解約したりしなければなりません。イデコやつみたてNISAを優先して使うのは正しいですが、まず「人生のお金の計画」を立てましょう。

◇  ◇  ◇

コロナ禍で収入減に直面してお金の計画を立て直さなければならない人もいるでしょう。今回は、「人生のお金の計画の立て方」をお伝えします。

もちろん将来のことはわかりませんが、想定して考えてみることで、現在の家計を健全にすることができます。また、闇雲に不安を持って誤った行動してしまうことを防ぐこともできます。長期的なライフプラン、お金の計画を立てることには重要な意味があるのです。

まず捕らぬたぬきの皮算用は避けるべきです。投資アドバイザーの中にはしばしば妄想のような運用設計書を提示する人がいますが、投資アドバイザーは生活者の利益を最優先する責任を法的に負っているわけではないということを理解し、自分で堅実にお金の計画を立てましょう。

まず「人生設計の基本公式」を使って自分の必要貯蓄率を出します。

年金の手取り額がわからないという人が多いのですが、50歳以上の方は「ねんきん定期便」を参考にして、手取りは定期便に記載されている額の8割程度とやや厳しめに考えてください。

50歳未満の方は、ねんきんネットで調べるほか、簡易的に計算してみましょう。「ねんきん定期便の見込み額」に「今後の平均年収×0.005481×働く年数」と「今後増える老齢基礎年金額」を足します。でも、厳しめにざっくり(Y)の3割としても構いません。ちなみに老齢基礎年金は年収に関係なく定額です。1年働くと約2万円増え、40年間年金保険料を納めると満額の約78万円になります。

この公式で求めるのは、毎月の手取り額からいくら貯蓄すべきかです。事情が変わったときはもちろん、何度でも計算し直すことを前提にしています(エクセルで作れば簡単です)。将来を占うのではなく、自分が思う老後生活水準を実現するために、今すべき貯蓄がいくらなのかを知ることが目的です。今の収入は、今の生活を賄うお金であると同時に、将来の自分や家族の人生を支えるお金です。資産形成は計画的にためていくことが基本です。

老後を迎えるまでには様々な支出があります。それらは「現在資産額(A)」に反映します。例えば、今後子供の教育費が必要なら「−1000万円」という具合です。

この必要貯蓄率がわかったら、老後の生活費がどのくらいなのかをみてみましょう。

今後の平均の手取り年収(Y)× 必要貯蓄率(S)× 現役年数(a)と計算し、老後年数(b)で割ってください。「老後1年間に取り崩せる金額」がでます。これに「年金手取り額(P)」を足すと老後の年間生活費です。12で割れば月額老後生活費が求められます。この数字をみて、「老後生活費率(X)」を上げ下げしてみてください。

Lさんの場合、老後の生活費率(X)を今の生活費の70%として計算すると、「必要貯蓄率(S)」は約23%で、月額老後生活費は22万円でした。やや高いと感じたので、(X)を0.6とすると、(S)は約19%、老後生活費は20万円です。さらに(X)を0.5に下げると、(S)は13%、老後生活費は18万円と下がりますが、現役時代の生活に余裕が生まれます。Lさんは貯蓄を増やしたいため、貯蓄率は19%にしました。

現在の手取り年収310万円にSを掛けると今年の必要貯蓄額は約59万円です。月額約4万9000円です。先取り貯蓄をすると生活費は月額約21万円ということになります。

次にお金の置き場所を決めます。コロナ禍で流動性資産の重要性を改めて感じましたので、4万円を普通預金にし、イデコは9000円からスタートすることにします。預金が生活費の3カ月分くらいたまったらイデコを上限まで増額し、つみたてNISAもスタートすることにしましょう。

投資することで、仕事をしていない時も、眠っている時も、お金にお金を自動的に稼いでもらえます。消費者だけでなく、企業のオーナーであることで、より経済的な安泰や自立や自由をつくっていくことができるのです。

ライフプランやお金の計画を立てるということは、自分の望む未来をつくるために、今どのような努力が必要なのかを考えることでもあります。

お金を適切に管理運用できれば、やがて金銭的余裕も生まれるでしょう。自分の目標や夢にむかって自信をもって人生を進む。これこそが、お金の心配から解放された経済的自由なのかもしれません。

きょうの処方箋です。

年始です。長期的なライフプラン、お金の計画を見直してみましょう。
1年間の必要貯蓄額を決めて、今月から貯蓄を実行してきましょう。

ではまた2週間後に。

岩城みずほ(いわき・みずほ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)。オフィスベネフィット代表。「金融商品を販売することによるコミッションを得ず、中立的な立場でコンサルティングする」をモットーに、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長も務める。著書に『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版)など。https://www.officebenefit.com/

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本日もお金の悩みを抱えた若者が「白鳥FP事務所」のドアをたたく……。ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏がマネーリテラシーの向上のために様々なお金の問題を取り上げ、対話形式でわかりやすく解説します。隔週火曜日に掲載します。

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