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本格長期投資家に必要な「7カ条の心構え」

積立王子への道(25)

投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

にわか投資家が増殖し始めた

コロナ禍のこの1年は、おしなべて右肩上がりの株価上昇が続く活況相場だった。日米欧の株式市場はコロナ・ショック前の価格水準を大きく上回って推移。以前からの投資家にとっては、厳しい実体経済の現状と対照的に金融資産を殖やす絶好の機会となった。そしてにぎわうマーケット報道を見てここ最近、「自分ももうけたい」とばかり「にわか投資家」が増殖し始めたようだ。

だが、今参入を決めた彼ら彼女たちの大半が見ているのは、過去1年間の上昇一辺倒の相場だ。今後も上昇続きを前提にしているなら、やがて必ずや到来する調整局面で「こんなはずじゃなかった」と多くのにわか投資家が下落の恐怖に耐えられず、マーケットから脱落していくことになるのだろう。これまで何度も繰り返された光景だ。

ヤング世代が挑むのは長期戦だ

2人のようなヤング世代は今すぐガツガツギラギラもうける必要はない。投資を始める目的を、将来に向けた長期資産形成だとしっかり定めてもらいたい。となると、君たちがシニア世代になる何十年も先のゴールを見据えた長期戦だ。そこまで忍耐強い投資が続けられるか否か。それが自らが納得できる豊かな人生を実現できるかどうかの分かれ目、といっても過言ではない。ということで、本格的長期投資家として成果をあげるために必要な心構えを、7か条で君たちに伝授するとしよう。

長期投資の道しるべ7カ条 それは…

第1条 投資目的をしっかり見据えること

将来に向けた長期資産形成なら投資のゴールはずっと先だ。今、目に映る相場の値動きは将来の運用成果に全く関係ない。

第2条 将来の成長を見いだせる投資対象にお金を投じること

長期投資のリターンの源泉は投資対象の価値の増大、すなわち成長だ。経済成長が見いだせる先にお金を働きに出して、成長を養分にお金を育てていくのが長期投資だ。

第3条 長期投資とは買ってから保有を続けること

長期投資は売買を繰り返すことではない。納得のいく株式や債券を買ったら、持ち続けることこそが本物の投資なのだ。

第4条 価格が価値に収斂するのをじっくり待つこと

投資対象が長期的に成長するならば、日々値動きを繰り返す価格も長期的には価値に見合う水準へと収斂(しゅうれん)していく。これが長期投資の原理原則だ。

第5条 長期で続けるためには積み立て投資が有効

投資したなら誰だって自分の買値は気になるもの。しかし毎月定額を投じる積み立て投資なら買値が平準化されて気にならなくなる。だからこそ長期投資を続けられるのだ。

第6条 下落相場でも自然とニコニコする

長期積み立て投資家なら、相場が下がれば安く仕込める機会と捉えられる。下落局面で買い手側に回れるのが最大の強みだ。

第7条 長期投資家は明るい未来を信じる

これから先の未来をもっと豊かでステキな社会にしたいとの思いを込めて経済活動に投ずるのが長期投資マネー。将来への楽観こそが長期投資家の神髄だ。

どうだい。2人とも全部に納得できたかな? 次回からは7カ条を1つずつ詳しく解説して進ぜよう。乞うご期待だね!

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。

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積み立て投資には、複利効果やつみたてNISAの仕組みなど押さえておくべきポイントが多くあります。 このコラムでは「積立王子」のニックネームを持つセゾン投信会長兼CEOの中野晴啓さんが、これから資産形成を考える若い世代にむけて「長期・積立・分散」という3つの原則に沿って解説します。

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