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21年度実質成長率は4.5%、22年度2.8%成長 NEEDS予測

コロナ禍乗り越え、21年度は4%台の成長へ

日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、2021年7月26日までに公表された各種経済指標の情報を織り込んだ予測によると、21年度の実質成長率は4.5%、22年度は2.8%の見通しになった。

21年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.3%増となる見込み。個人消費が低調だが、設備投資・輸出に支えられ、2四半期ぶりのプラス成長となる。今後も設備投資と輸出の堅調さは持続し、消費もコロナ禍を脱する10~12月期には回復が進む。

10~12月期の消費は大きく回復

個人消費は足元で停滞している。内閣府公表の消費総合指数は、4~5月平均が1~3月平均に比べて0.1%増にとどまった。サービス消費の停滞に加え、主な耐久消費財の一つである自動車が半導体不足で生産が進まないこともあり、消費の行き場が限られてしまっている面もある。

東京都の緊急事態宣言期間は8月22日までで、夏休みやお盆の旅行、外食などのサービス消費は低水準となりそうだ。ただ、7~9月期のGDPベースの個人消費は今年1~3月期(前期比1.5%減)ほどには落ち込まないと予測する。東京都の新規感染者数は上昇しているが、ワクチン接種の進展などで重症者数は今のところ、1月に比べ低水準にある。緊急事態宣言の対象地域が4~6月期よりは少ないことや、コロナ禍の長期化による「自粛疲れ」や、東京五輪の消費拡大効果も多少は見込まれるため、7~9月期は前期比0.8%増になるとみている。

10~12月期には感染拡大が落ち着くとの前提の下で、旅行や外食などのサービス消費を中心にペントアップ(先送り)需要が顕在化する。個人消費は21年度に前年度比3.1%増、22年度は同2.3%増と予測する。

海外景気の回復続き、21年度の輸出は2桁増に

財務省が公表した貿易統計を基に日銀が算出した実質輸出(季節調整値)は、4~6月期に前期比3.5%増と4四半期連続で増加した。

輸出好調を支える海外経済は、今後も拡大が続く見通しだ。米国の個人消費は、コロナ禍による落ち込みからの回復が続いており、米経済は4~6月期、7~9月期に高成長となりそうだ。また、中国国家統計局が発表した4~6月期の実質GDPは前年同期比7.9%増となった。内需の回復ペースはスローダウンしているものの、輸出などの増加が続くため、中国経済は今後も堅調に推移するとみている。日本のGDPベースの実質輸出は21年度に前年度比14.4%増と2桁増となり、22年度も同5.4%増となる見通し。

設備投資計画は好調

日銀が公表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、21年度の設備投資計画(全規模全産業、ソフトウエア・研究開発を含み土地を除く)は前年度比9.3%増と、3月調査の同2.3%増から大幅な上方修正となった。設備投資が落ち込んだ昨年度の反動増もあるが、6月調査としては統計が比較可能な17年度以降で最も高い伸び率となった。

企業収益の回復が続くことに加え、デジタル化やESG(環境・社会・企業統治)関連の投資増も回復を下支えする。GDPベースの21年度の設備投資は前年度比5.1%増、22年度が同4.6%増となる見通しだ。

予測期間を24年1~3月期まで延長

NEEDS予測では今月から予測期間を24年1~3月期まで1年延長した。予測の前提として、米国をはじめとする海外経済は、伸びは鈍化するものの底堅い成長が続くとみている。また、23年度の通関原油価格と円ドル相場は22年度とほぼ同水準で推移すると想定した。

日本の23年度の成長率は前年度比1.5%と緩やかな景気拡大が続く。人手不足を背景に、雇用と所得が増加し、個人消費の拡大を支える。個人消費は同1.8%増となる見込み。堅調な海外経済に後押しされ、23年度の輸出は同5.3%増の予測となる。国内外の需要拡大で企業収益が増益基調で推移することから、設備投資は同2.1%増を見込む。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが21年6月に公表した改訂短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 山崎理絵子、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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