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20年度の実質成長率はマイナス4.6%、21年度は5.2%成長 NEEDS予測

21年度、上半期を中心に回復へ

日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が3月9日に公表した2020年10~12月期の国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んだ予測によると、20年度の実質成長率はマイナス4.6%、21年度は5.2%の見通しとなった。

20年10~12月期の実質GDPは前期比2.8%増(年率換算で11.7%増)だった。民間在庫変動の成長率への寄与度が下振れし、実質GDP成長率は1次速報から0.2ポイント下方修正された。

21年1~3月期は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の影響で、成長率は前期比マイナス0.1%に低下する見通し。緊急事態宣言解除後の21年度に入ると民間消費を中心に景気は明瞭に回復する。21年度後半の民間消費は年度前半の伸び反動減から弱めの動きに転じるが、外需の回復や公需の下支えにより景気の本格的な悪化には至らないとみている。

21年度の消費は持ち直すも、後半は失速

新型コロナ感染再拡大に伴い年始に緊急事態宣言が再発出され、1都3県では2度にわたり延長されたことで、21年1~3月期の個人消費は前期比マイナスが避けられない。ただ、宣言発出で落ち込んだ消費マインドの回復は早かった。内閣府が公表した景気ウオッチャー調査をみると、2月の家計動向関連の現状判断DI(季節調整値)は前月から10.9ポイント上昇と大きく改善し38.9となった。内訳の全項目が前月から持ち直したほか、「小売関連」「飲食関連」「サービス関連」の3項目では前月差プラス10ポイント以上と強めの反発だった。1~3月期の個人消費は、前期比で2.2%減となる見通し。

21年度前半の個人消費は反発する。東京五輪や「Go To トラベル」などの追い風を受けてサービス関連の需要が顕在化する。一方、年度後半以降はこれら押し上げ要因の剥落に伴って個人消費は弱含む。21年10~12月期には年度前半の伸びの反動減もあって前期比マイナスに転じ、その後も前期比で0%近傍の推移となる。個人消費は20年度に前年度比6.2%減、21年度は同4.6%増となる見通し。

海外需要回復で輸出は伸びを維持

日銀が算出した実質輸出(季節調整値)で、1~2月の平均値は20年10~12月平均と比べて0.9%高い水準にある。海外経済は予測期間を通じて着実に回復を続ける見込み。米国では、1.9兆ドル(約200兆円)規模の追加経済対策が3月10日に連邦議会で可決され、今後の景気押し上げ効果が期待される。

海外の需要が回復することにより、日本のGDPベースの実質輸出は予測期間を通じて前期比でプラスの伸びを維持する。実質輸出は20年度に前年度比10.8%減となるが、21年度は同13.4%増となる見通しだ。

設備投資は21年度に力強く回復

財務省の法人企業統計によると、20年10~12月期の経常利益(全規模・全産業)は前年同期比0.7%減と前期の同28.4%減から減少幅が大きく縮小した。非製造業は前年同期比減益が続いているが、輸送用機械を中心に製造業は増益に転じた。

この企業収益の回復が設備投資を下支えする。財務省と内閣府が公表した1~3月期の法人企業景気予測調査では、21年度の設備投資計画(全規模全産業、ソフトウエアを含む、土地を除く)は前年度比7.6%増だった。20年度中の記録的な低水準の後ではあるが高い伸びとなった。

21年度の企業収益、設備投資はともに力強く回復する。GDPベースの実質設備投資は、20年度は前年度比6.2%減となるものの、21年度は同5.3%増まで回復する見通し。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが21年3月に公表した改訂短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 松尾朋紀、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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