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コロナで変わる結婚費用 少人数婚や写真婚で安く

コロナ後はフォトウエディングが増えている(写真はイメージ)
6月は「ジューンブライド」とも言われる婚礼シーズン。少人数での挙式・披露宴やオンライン挙式など、新型コロナウイルス禍で結婚式のスタイルが変化する中、結婚費用の相場も変わりつつある。足元で変化する結婚式費用のトレンドを探った。

親族と近しい友人招く少人数婚が人気

コロナ対策と結婚式を両立させるため、この1年で増えたのが、"密"を避けるため招待客を減らして実施する「少人数婚」だ。招待客の数はまちまちだが、婚礼・披露宴のプランニングサービスを手掛けるタメニーによると、「友人含めて計20~30人を招待するケースが最も多い」。おじ・おば、いとこなど3親等内の10人前後を招く「家族婚」を実施するカップルもいるが、「近しい友人までは呼びたい」という人が多いという。

20~30人まで招待客を減らして結婚式を行う少人数婚の場合、どれぐらい費用を抑えられるのか。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」によると、コロナ前(19年4月~20年3月)の披露宴・ウエディングパーティーの招待客の平均人数は66.3人。挙式も含めた結婚式費用総額は平均362.3万円だった。一方、同調査で招待客人数別の結婚式費用を見ると20~29人規模は200万円程度。単純計算では、コロナ前の一般的な挙式・披露宴スタイルより150万円もコストを抑えられることになる。また、格安の婚礼プロデュースサービスなどを利用すれば30人未満で60万円程度で実施することも可能だ。

少人数婚は費用が抑えられる半面、招待客からもらえるご祝儀も少なくなる。両者を加味した自己負担額はどうなるか。式を挙げたカップルの自己負担額の相場を、結婚式費用の総額からご祝儀総額を差し引いた額で考えてみよう(「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」のデータを使用)。

招待客の人数別に見ると、60~69人規模における自己負担は159万円。一方、20~29人の場合は86万円となる。単純計算で割り出した数字ではあるが、少人数婚であれば従来に比べておよそ70万円も自己負担額が抑えられることが分かる。

ただ、「招待人数が減るほど自己負担額が減る」とは一概に言えない。一般的なご祝儀の相場は友人や同僚が3万円程度であるのに対して、上司や恩師は3万~5万円、親族であれば5万~10万円と、包む金額が大きい傾向があるからだ。ご祝儀総額がいくらになるかは、招待客の構成によるところが大きい。

30代夫婦の家計相談を手掛けるファイナンシャルプランナーの岩田百り子さんは「"密"を避けるために挙式や披露宴の形を変えた結果、想定の3分の1程度にまで費用を抑えられたケースもある」と話す。

人気のフォトウエディングは5万円から

コロナ禍で、記念撮影のみを行う「フォトウエディング(写真婚)」や、ネット中継で実施する「オンライン婚」の注目度も増している。

フォトウエディングの場合、相場は衣装代込みで5万~15万円程度。ただ撮影場所や写真加工、セットなどにこだわると金額が増える傾向にある。例えば「赤レンガ駅舎」など、東京駅周辺の人気の撮影スポットを回るプランでは65万円以上かかることもある。それでも、数十人規模の式を挙げる場合に比べると費用は抑えられる。

足元では、「結婚式の規模縮小で浮いた費用を使う」というニーズの他に、「SNS(交流サイト)に写真をアップしたい」というニーズも取り込んでいる。「インスタグラムなどでの結婚報告は今や当たり前。特に若年層は写真に関する感度も高く、お金をかけてでも世界観のある写真を撮りたいという人も増えている」(『ゼクシィ』の平山彩子編集長)。

招待客を呼ばず挙式をオンラインで中継する「オンライン婚」については、「少人数婚やフォトウエディングほど伸びてはいない」(タメニー)。コロナ重症化リスクが高い高齢の親戚や、遠方の友人などを会場に呼ばずに中継で繋ぐ――といった利用が主だという。その場合、プロカメラマンによる中継であれば相場は18万円程度となっている。

10年後のトレンドが前倒しで到来

タメニーによると、20年度における少人数婚の実施は前年度比38%増(252組)。それを上回って活況なのがフォトウエディングで、同3.2倍(1651件)と顕著に伸びている。コロナ禍が新しい結婚スタイルを普及させた格好だが、このトレンドはコロナ収束後も続くのか。

業界関係者の見方は様々だ。「少人数婚やフォトウエディングが普及する背景には、平成生まれの世代を中心に、将来不安から結婚費用に対しシビアな目を向けるようになったこともある」と指摘するのはタメニーの広報担当者。コロナ前は「招待客が少ないと体裁が悪い」などの理由から、実際に費用を抑えられている人は少なく、「式場の相場が上がっていたこともあり、20年春までは1カップル当たりの単価が少しずつ増加傾向にあった」。しかしコロナ禍で「少人数婚でも恥ずかしくない」という価値観が広まりつつあり、「10年後に想定していた結婚トレンドが前倒しで到来している状況」とみる。

一方、「コロナ対策のやり方も見えてきており、今後さらに式の需要も戻るのではないか」(ゼクシィの平山編集長)との声もある。「フォトウエディングを利用した人の中には、『写真だけを先に済ませ、実施できるようになったタイミングで大規模な結婚式を挙げる予定』という人も少なくない」と平山編集長は話す。

コロナ収束後も費用負担が軽い結婚式の新トレンドは持続するのか、コロナ前に戻るのか。現時点では見通せないが、コロナ禍をきっかけに選択肢が増えたことは確かだ。コロナ後は多様化した結婚式スタイルのなかから、自分達の希望に合ったものを選べるようになるだろう。

(大松佳代)

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