/

21年の狙い目投信 新興国株と中小型日本株に注目

写真はイメージ=PIXTA

日経平均株価は約30年ぶりの高値、NYダウは3万1000ドルを突破するなど株式市場は活況を呈している。一方、実体経済は予断を許さない状況で、資産運用には難しい局面だ。こんな時はアクティブ型投信を使い、プロの運用者に資金を託すのも一つの手。そこで投信に詳しい3人の識者にここからのアクティブ型投信の選び方を聞いた。

直近成績だけで評価しない

アクティブ型投信選びで最初に目が行くのが運用成績。直近の成績が良好な商品を買いたくなるが、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんは、安易に飛びつくのは危険と注意を促す。

「コロナショックや一部米ハイテク株の急騰など、この1年はかなり特殊な期間。騰落率ランキング上位には、例えば米テスラ1社のパフォーマンスで成績がかさ上げされているような投信も多い」(篠田さん)。ガイア社長の中桐啓貴さんも同意見。「直近1年の成績は参考にしにくい」という。

確かに過去1年の主な株価指数の推移を見ると米ハイテク株の高騰ぶりが際立つ(下図)。また直近1年リターンランキング上位には中国株のアクティブ型投信も入っているが、コロナ後の中国株指数の戻りを見ると相場環境の恩恵が大きそう。「今はランキングの上位だからといって銘柄選択が上手なアクティブ型投信とは限らない。米ハイテク株は天井を打った感もあり、ここからの投資には疑問符が付く」(篠田さん)

注:2019年12月2日を1として主な株価指数に連動するインデックス型投信の基準価額を指数化。以下のインデックス型投信を使用。FANG+指数:iFree NEXT FANG+インデックス、ナスダック100指数:iFreeNEXT NASDAQ 100インデックス、中国株インデックス:チャイナ・フロンティアオープン、日経平均株価:インデックスファンド225、S&P500:iFree S&P500インデックス、TOPIX:〈購入・換金手数料なし〉ニッセイTOPIXインデックスファンド

一方、格付投資情報センター投信事業部長の岡忠志さんは、ファンドマネジャーが結果を出した期間でもあるという見立て。「日本株投信ではコロナ後の社会変化や巣ごもり消費などを捉え、インデックスを上回る成績を出した投信や、銘柄を大きく入れ替えることなくコロナショックを乗り切った投信があった。アクティブ運用の有効性が確認できた1年」と振り返る。

つまり、コロナショックや米ハイテク株の高騰という一時的な要因に頼ることなく、巧みな銘柄選択で激動のコロナ相場で高いリターンを上げたアクティブ型投信なら有望という結論になりそう。

ではここからアクティブ型投信を買うなら、どのような商品が有望だろうか。3人とも基本的には5年、10年といった長期の運用成績が優秀で直近のコロナショックにもうまく対応できた商品が候補になるという考え。また、GAFAM(※)と称される米ハイテク株に投資するアクティブ型投信は既に高騰しており、積極的に買いにくいというスタンスも共通だ。

※GAFAM:グーグル(アルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトの頭文字を並べた米ハイテク企業の総称

中小型日本株と新興国株が有望か

篠田さんのお薦めは中小型日本株投信と新興国株投信。「コロナショックからの戻り局面では、商品によってパフォーマンスに差がついた。ファンドマネジャーの腕の差が出た格好で、戻りの良かった投信が候補になる。また、出遅れ感のあった新興国、特にインド株にも投資しておきたい。分散投資という意味で金の投信にも一部、振り向けておきたい」

中桐さんも中小型日本株投信と新興国株推し。「株式市場が落ち着けば銘柄選択は正常化するのではないか。ならば銘柄発掘や企業価値の評価に定評があるファンドマネジャーが運用する中小型株投信を選びたい。コロナ克服期待が高まれば新興国も見直されるだろうから、やはり銘柄選択に定評がある新興国株投信を仕込んでおく」

岡さんは先行きが不透明なので、守りを主に考える構え。「国内株は『ひふみ投信』など、コロナショックでもうまく立ち回った投信が比較的安心。海外株は成長株投信に、ヘルスケアや生活必需品分野の競争力の高い企業も組み入れた投信を加えて分散投資を考えたい。十分にリスク分散されたレバレッジ型バランス投信も選択肢の一つ」と話す。

(本間健司)

[日経マネー2021年2月号の記事を再掲載]
日経マネー 2021年2月号 2021年は最強日本株で勝つ!

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/12/21)
価格 : 750円(税込み)
この書籍を購入する(ヘルプ): Amazon.co.jp 楽天ブックス

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン