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投資初心者の半数がもうけ ユーチューバーの影響増す

個人投資家調査で見えた投資ビギナーのリアル(上)

日経マネーが実施した「個人投資家調査」では、2万5544人の個人投資家から資産運用についての回答を得た。その中で投資歴6カ月未満の人を「投資初心者」として分析すると、コロナショック後ならではの初心者像が浮かび上がってきた。分析結果を2回に分けて紹介する。

初心者の半数がプラスの成績

2021年の個人投資家調査で、「投資歴6カ月未満」と回答した投資初心者は3880人。回答者全体の15.2%を占めた。男女比はおよそ7対3で、回答者全体とほぼ変わらなかった。

20年3月のコロナショック以降、大手ネット証券の口座開設が急増。「投資を始める若年層が増えた」と話題になった。その傾向は調査結果からも見て取れる。投資初心者の中で、30代以下は50.9%と過半数を占めた。20代は18.0%、30代は31.8%と、若年層の比率は回答者全体よりも高くなっている(全体では20代は9.4%、30代は22.8%)。

投資の勝率はどうか。回答時点で「投資元本に対する利益がプラス1%以上」の運用成績だった初心者の割合は51.0%だった。2人に1人は早くも利益を上げているようだ。

運用商品や投資のきっかけが大きく変化

前年調査で「投資歴6カ月未満」と回答した人と比較すると、足元の1年間で投資初心者の傾向が大きく変わっていることが明らかになった。

特徴的だったのが、運用商品の内容だ。「先進国株の投資信託・ETF(上場投資信託)」を運用している人の割合は、前年の19.9%から30.0%と大きく増加。一方で「日本企業の個別株」と回答した人は60.3%から43.1%に減少した。米国を中心とした先進国株式の主要指数に連動する投資信託・ETFの積み立て投資が初心者に広がっている様子が浮かび上がる。

 傾向が変化したのは運用商品だけではない。今年ならではの特徴と言えるのが、投資を始めたきっかけの存在として「人気ユーチューバー」を挙げた人が最も多く、33.7%に上ったことだ(前年調査では15.1%)。前年の調査では「本」が最多だったが、逆転する格好となった。

今やユーチューブは、未経験者、特に若年層が投資に興味を持つ大きな入り口となっている。ただし本についても、特段影響力が落ちたわけではない。投資を始めるきっかけとして挙げた人は16.5%と前年調査(16.9%)とほぼ同じだった。

口座開設の理由は「もうけ」よりも「老後」

口座開設の理由として一番多かったのは、「自分で老後の資金を確保したいと考えたから」の54.4%。「投資でもうけたいと思ったから」の46.2%よりも多く、目先のもうけよりも老後の生活のために投資を始める傾向が強い。コロナショックを機に、20~30代でも「長期投資で老後に向けた資産形成をする」という意識が広がっていると考えられる。

元本については「小さく始める」のが基本のようだ。用意した投資資金については、「50万円未満」との回答が46.6%で最も多かった。さらに内訳を見ると、「10万円未満」と少額で始めた人も22.9%に上った。最近はスマホ証券などで、単元未満株を売買することも可能だ。そうした少ない資金で投資できるサービスの普及も、若年層の投資デビューを後押ししているのだろう。

(大松佳代)

[日経マネー2021年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2021年8月号 コロナ後相場の稼ぎ方&勝負株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/6/21)
価格 : 800円(税込み)
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