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米国株はハイテクだけじゃない 米高配当株の魅力

米国株の配当投資戦略(上)

個人投資家の間で米個別株投資の人気が高まっている。特に人気なのは米マイクロソフトや米アップルなど、GAFAMと称される巨大IT企業株だが、高配当銘柄や連続増配銘柄に着目する投資家も少なくない。配当狙いの米国株投資の勘所を専門家に聞いた。

長期投資が配当でも報われる米国株投資

「ITバブル崩壊やリーマン・ショックを経ても、結局、長期保有がうまくいっているのが米国株市場」と語るのはマネックス証券の岡元兵八郎さんだ。確かに米国株指数はコロナショックをこなして史上最高値を更新中。配当も堅調で、米S&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズ社によれば、2021年のS&P500種株価指数構成企業の配当総額は前年比5%増が見込まれるという。

何十年にもわたって増配を重ねながら高配当を出し続けている銘柄が多いのも米国株市場の特徴だ。

資産運用アドバイザーの尾藤峰男さんは「米企業は株主重視の姿勢が強く、配当政策はとても重要。おいそれとは減配しないし、増配にもこだわる」と言う。優良銘柄を長期で持てば、株価上昇だけでなく、高利回りの配当も手にできる可能性が高い。「100万円投資をすれば10年・20年後に毎年10万、20万円の配当が振り込まれる。これが珍しくないのが米国株投資の魅力の一つ」(岡元さん)なのだ。

もちろん銘柄の選択は重要だ。「配当狙い」という前提条件で米国株に投資するなら、どのような投資戦略が有効だろうか。

配当を重視する企業が多い米国株市場とはいえ、利回りの高い銘柄を闇雲に買うのは危険だ。高配当株は実は「訳あり」銘柄が少なくないと岡元さんは指摘する。「例えばたばこ会社。高配当だが、ESG(環境・社会・企業統治)投資の流れで経営に逆風が吹いているのは事実。それ故、高配当で投資家を惹き付けているようとしている面もある。また通信も高配当を出しているが、基本的には成熟産業。将来、配当の大きな伸びが期待できるかは疑問」

一方、尾藤さんは高配当株が減配した時のダメージの大きさを指摘する。「石油会社や市況関連株などは、市況の悪化や金融危機で無配になったり、配当が半減したりすることもある。配当も株価も下がるので目も当てられないことになる」

高配当株と連続増配株をバランスよく持つ

こうしたリスクを避けるために岡元さん、尾藤さんが共に勧めるのが投資家の配当ニーズに応じて「高配当株」と「連続増配株」の両方に投資する戦略だ。

連続増配かつ高配当という銘柄も珍しくない米国株だが、まず投資対象を、期待する役割に応じて「高配当株」と「連続増配株」に分ける。前者は単純に配当利回りが高い銘柄。後者は利回りはそこそこだが、将来、高配当株に育つ可能がある銘柄だ。

今すぐ配当が欲しいなら高配当株。将来、さらに高い配当を手にしたいなら連続増配株を持てばよいのだが、どちらか一方だけでなく、振り向ける資金量を調整しながら両方に投資する。これはリスクを下げるためだ。

配当に対するニーズをライフステージに重ねるなら、退職前後のシニア世代なら高配当株を多めに、将来の老後資金を準備したい現役層なら連続増配株多めに持つというイメージだ(下グラフ)。

加えて、2人とも運用の中核(コア)はS&P500種株価指数連動型ETFとし、高配当株と連続増配株をサブ(サテライト)資産として持つスタイルを勧めるという。

「例えばS&P500連動ETFでも2003年から持っていれば、買値基準の分配金利回りは5%程度まで育っている。十分高配当利回りといえる。また、S&P500連動ETFなら配当狙いでは投資できない米成長株に投資できる利点も見逃せない。成長株株価上昇で基準価額は約4倍になっている」(尾藤さん)。株価指数への投資でも、長期で持てば高配当利回りを享受できるのも米国株の魅力といえそうだ。

(本間健司)

[日経マネー2021年10月号の記事を再構成]

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著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/8/20)
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