仕事マッチングサイトで副収入 月10万手にする会社員も
副収入はこう稼ぐ(上)

コロナとマッチングサイトが副収入作りの流れを加速
「コロナ禍は副業を取り巻く環境を大きく変えた」と語るのは、副業情報サイトを運営し、副業事情に詳しいネットピコの中野貴利人さんだ。
ここ数年、働き方改革の流れで副業を解禁する企業が増加。また、仕事をネットで仲介するアウトソーシングサイトやマッチングサイトも続々登場するなど、会社員が副業に取り組む環境は整いつつある。ただ環境は整ったが、実際には「本業が忙しい」といった理由で副業をする会社員は多くはなかった。そこにやってきたのがコロナ禍だ。
在宅勤務になったり、リストラや減収に見舞われたりする会社員が増加。言い換えるなら、副業に取り組む時間ができたと同時に、給与のみに依存することに不安を覚えた会社員が増加した。そこでマッチングサイトやアウトソーシングサイトに登録して仕事を請け負い、副収入を手にしようと考える会社員が増えているという。
請け負う仕事の内容は千差万別だが、中野さんが「稼げる副業」として注目しているのがエアコンクリーニングだ。マッチングサイトに登録し、個人から直接依頼を受けてエアコンを掃除するというもので、相場は1台1万円。ハウスクリーニングのような地域密着系の手を動かす副業は昔からあったが、チラシをどれだけまけるか、予定を埋められるかが勝負だった。今は集客も時間調整もマッチングサイトでこなせる。
一方、DX化の波は副収入稼ぎにも及んでおり、在宅で可能なDX化を支援するような副収入案件も増えている。代表例が動画編集やデジタルマーケティングの請け負いだ。個人も企業も動画を作って公開したいというニーズは強いが、作り手が不足している。学習は必要だが副収入を得る手段としてはかなり有望だ。デジタルマーケティングも同様だが、こちらは本業での経験者が中心。いずれも企業からのニーズは非常に高い。

趣味・特技がお金になる時代
もう少し幅広いジャンルを扱うなら「ココナラ」や「ストアカ」などのマッチングサイトを使ったスキル販売が有望だ。
文書やイラスト、Excelマクロなどの制作を請け負ったり、写真撮影、語学、包丁研ぎなどを教えたりと、趣味・特技のレベルから個人のスキルを換金できる。上手に活用すれば本業をこなしながら月5万~10万円の副収入を手にするのは難しくない。
このようにネット上には様々な副収入を得る機会がある。とは言え、それなりに戦略は必要だ。下表は中野さんに聞いてまとめた効率的に副収入を得るための戦略だ。ここで中野さんが強調するのは「好き」を大事にすること。

副収入が目的なので稼ぎ優先なのは当然だが、本業収入がある会社員の場合、副業の内容に興味を持てないと長続きしないという。逆に時間を忘れて没頭できる作業なら、自身の成長にもつながるし、将来的には独立もできるかもしれない。
次回は「好き」を大事にしながらココナラでスキルを売っている3人の事例を紹介する。
(本間健司)
[日経マネー2021年6月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/4/21)
価格 : 750円(税込み)
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