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ネット生保好調 消費者側には不安も見え隠れ 

生保損保業界ウオッチ(生命保険)

コロナ禍で「巣ごもり需要」という言葉が生まれ、ネット生保の販売が好調だったとの報道をよく耳にしました。ネット生保といっても、インターネットを主たる販売チャネルとする「ネット専業生保」と、主たるチャネルではないもののインターネットによる販売を行う生保があります。

ネット専業生保における年換算保険料の新契約実績は、コロナ禍前から伸びており、2020年度で特別に伸びたというわけではなさそうですし、会社によっては伸び率が減少しているところもあります。巣ごもり需要とネット生保を結びつけるのは、必ずしも適切とは言えないようです。

もう少し時間軸を長く取り、生保加入者が実際に契約したチャネルと、今後加入したいと考えるチャネルが、どのように変化してきたかを見ていきましょう。

インターネットを通じて加入したいと答えた人は右肩上がりで増えていますが(上グラフ)、実際に加入する人の数はさほど伸びていません(下グラフ)。一方、今後の加入意向と実際の契約チャネルは、減少傾向にあるとは言え、いずれも生保営業職員が圧倒的な割合を占めています。また、保険代理店の窓口や営業職員を通じて加入したいという割合は増加傾向にあり、実際に加入している人も増えています。

次に、直接的な人の介在があるチャネルかどうかというくくりで見てみます。人が介在しないチャネルを「インターネット」「テレビ・新聞・雑誌など」とし、それ以外を人が介在するチャネルと考えます。

やはりアドバイスは欲しい?

21年調査では、人が介在するチャネルで加入したいという意向を持つ人は56.1%、実際の契約が83.0%で、これらの割合は09年以降さほど大きな変化はありません。非介在チャネルでは加入意向22.0%、実際の契約6.5%で、加入意向が09年調査の約1.5倍に増えているにもかかわらず、契約した人の割合は減少しています。

このことから、人の介在による煩わしさは避けたいと思うものの、契約まで全て自分で完結することには不安を覚えるといった姿が垣間見えます。コロナ禍を契機に、従来の介在チャネルでもオンラインで相談できるところや、ウェブで契約できるところが増え、ネット生保というカテゴリーそのものが曖昧になっています。

加入経路が多様化し、利便性は向上していますが、重要なのは後悔しない商品選択をすることです。プロに丸投げするのではなく、まず自分で情報収集をして複数の商品を比較検討し、自分なりの考えを整理した上で、必要ならアドバイスを求めるというスタンスで臨みましょう。

特約や補償範囲などが商品によって異なる保険の比較はなかなか大変。この連載では保険に詳しいファイナンシャルプランナーが商品選びの勘どころを紹介します。
内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
生活設計塾クルー。大手生命保険会社勤務の後、ファイナンシャルプランナーとし て独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイ ヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2022年1月号の記事を再構成]

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