桐谷さんが選んだ「NISA枠で買いたい優待株9銘柄」

どうも、桐谷です。今年もやって来ました「NISAで買いたい優待株」のテーマ。売却益だけでなく配当も非課税になるNISAのメリットを生かすため、配当利回りが高い銘柄を選ぶのが基本です。その上で優待内容も吟味して、NISAの投資上限額120万円に収まる銘柄の組み合わせを考えました。今回はコード順に紹介します。
最初は高松コンストラクショングループ。配当利回りが3%以上あり、優待は100株以上で南魚沼産コシヒカリ新米5kgです。ネットで検索すると、この新米の価格は4000円程度。だとすれば、配当利回りと優待利回りを足した「総合利回り」は5%超。実はこの銘柄、今まで知りませんでした。このコラムで初めて取り上げる銘柄です。
次が東邦アセチレン。配当利回りだけで3.7%ほどあります。こちらの優待はQUOカード。100株以上で1000円分、総合利回りは4.5%です。1年以上保有なら1500円分の4.9%、3年以上保有なら2000円分の5%超になります。
3つ目はジーテクト。ここの優待は1年以上保有しなくてはもらえません。優待族としては残念ですが、配当利回りが約4%と高いのは魅力。優待は100株1年以上保有でQUOカード1000円分、2年以上で同2000円分、3年以上で同3000円分。長期で保有すれば総合利回りが6%程度まで上昇します。
一度廃止後に復活した株主優待も
次はダイコク電機。一度廃止した優待を、2021年8月に再開すると発表。以前は保有株数に応じて付与されるポイントを品物と交換する、プレミアム優待倶楽部のはしりのような優待でした。再開後の優待はQUOカード。100株以上で初年度は1000円分、1年以上保有で2000円分、3年以上保有で3000円分です。配当利回りも4%超あり、3年以上保有なら総合利回りは7%近くあります。
5つ目のTPRも配当利回りだけで約4%。優待は100株以上で全国共通おこめ券が3枚。総合利回りは5%近くあります。
次はサン・ライフホールディング。こちらの優待は同社の施設利用券やホテル割引券など。その中の1000円施設利用券3枚を返送すれば、金粉入りスパークリングワインが送られてきます。
7番目はJSP。投資額10万円台で3000円のQUOカードというのは、金券優待の利回りとしてはかなり高めです。こちらは増配と共に株価が上昇、18年1月には3980円の高値を付けました。そこから株価が下がり、総合利回りは5%に。この水準は非常に魅力的だと思います。
次は高配当利回りの銘柄が多い地銀から、四国銀行。ここの優待は100株だとQUOカード500円分ですが、200株だとQUOカード1500円分と3倍の額になります。このため、200株保有でラインアップに入れたいと思います。
最後に、こちらも地銀の山口フィナンシャルグループ。配当利回りが4%超。優待は100株以上でQUOカード500円分。6万円台の投資額で優待をもらえ、総合利回りは5%超になります。
以上の9銘柄を全て買っても120万円のNISAの年間投資枠に収まります(11月19日時点)。

NISAには年120万円という限度額がありますが、私は「何事にも上限は必要」と思っています。2000年代前半に利用していたネット証券は、1カ月50回までの売買なら手数料が1万円でした。売買回数の上限があったため、私は慎重に銘柄を選び、売買のタイミングを計りました。その頃が最も利益を出していましたね。
その後、手数料が安い別の証券会社に乗り換え、そこは1日の約定代金が1000万円以下なら手数料は1000円。私は「それなら、たくさん買わなきゃ損」と、深く吟味もせず株を買っていました。買い続けたところに起きたのがリーマン・ショック。大きな痛手でした。人間、何かしらの上限がある方が慎重になり、うまく運ぶものです。
72歳。元プロ棋士(七段)。1984年の失恋をきっかけに株式投資を始める。現在1000以上の優待銘柄を保有し、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒やされる人柄も人気の理由。
(佐藤由紀子)
[日経マネー2022年1月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/11/20)
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