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REITで資産を守る インフレ対策で選ぶなら住居系

インフレに負けない投資術(下)

不動産はインフレに強いとされるが気軽に持てる資産ではない。次善の策として候補に挙がるのが、株式投資の感覚で不動産に投資できる国内不動産投資信託(J-REIT)だ。金利上昇に弱いともされるが、インフレ対策資産としての実力を専門家に聞いた。

インフレ対策になるのは優良不動産

「不動産を持つことはインフレ対策に有効だが、そこに主眼を置くなら、誰もが欲しい、借りて住みたいと思えるような物件であることが重要」と語るのはアイビー総研の関大介さんだ。

「インフレに対抗するには、安定した家賃が継続的に見込めなければならない。また、買った時より高い値段で売却できることも必要だ。具体的には東京都内一等地のマンションなどだ。当然価格は高いが、インフレ耐性も高い」

とはいえ、そのような実物不動産を買うには資金も必要だし、賃貸経営というリスクも負う。そこで浮上するのが、賃貸不動産に間接的に投資できるJ-REITだ。銘柄にもよるが、組み入れられているのは誰もが欲しがる一等地の優良賃貸物件。少額から投資でき換金性も高い。賃貸経営の手間は不要で、安定した分配金が期待でき、税金面でも有利だ。

オフィスは賃料が上げられないリスク

ただし、気になる点が1つあるという。J-REITの組み入れ不動産はオフィスが中心。数年単位の定期借家契約で、期間中の賃料は固定というのが一般的だ。もしインフレになっても数年間賃料を上げられなければ、物価上昇に負けてしまう可能性もある。「判例などで契約期間中の賃料値上げが認められるならオフィス系REIT投資もありだが、J-REITはこれまでインフレを経験しておらず不透明だ」という。

インフレ対策を目的とするなら、関さんは住居系REITを推す。「J-REITは含み益のある物件を売却して分配金原資を捻出することもできる。オフィスは物件規模が大きく、買い手探しなど入れ替えが大変だが、住居は比較的容易。安定した分配金を期待できる」

市況面からも住居系REIT以外は薦めにくいという。首都圏賃貸オフィスの空室率の上昇は一服したが、賃料低下は続いている。2023年にはオフィス大量供給も控えている。金利上昇も逆風だ。当面、株価、分配金とも下方向のリスクがある。また、物流・商業系REITは長期契約が中心で最も賃料を上げにくい。人気が過熱気味で、利回りが3%を切る銘柄もある点も買いにくい。

最後に住居系REITへの投資方法だが、関さんのお勧めは利回り順に並べて、中位の銘柄から選んで投資する方法。住居系特化型は本数が少ないが、保有物件の主な所在地や含み益などもチェックしたい。

また、J-REITのインデックス型ETFや投資信託はオフィス系の比率が高いので避けたい。J-REITではないが、売電収入が長期で固定されているインフラファンドもインフレ対策には向かないという。

(本間健司)

[日経マネー2022年5月号の記事を再構成]

日経マネー 2022年5月号 新年度の稼ぎ方&上がる株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2022/3/19)
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