バリュー株復活の兆しで注目 高成績の割安株投信
投信ランキング

今回は国内株バリュー型投資信託を取り上げる。グロース株の好調が長く続いていることもあり、バリュー株は押され気味。だが、ワクチン接種の進展により業績回復の裾野が広がるとの見方が台頭。加えてグロース株に対する高値警戒感等もあり、バリュー株には復調の兆しが見え始めている。
国内株バリュー型投信の残高は約6600億円で、本数は47本(6月末時点)。残高・本数共に国内株投信全体の1割にも満たないが、ここからの復調期待や、グロース系に偏ってしまったポートフォリオの分散を高めるために保有する価値はあるだろう。
下表は純資産総額100億円以上の国内株バリュー型投信の10年リターン(累積騰落率)ランキングだ。この中から上位3本に注目したい。いずれも「R&Iファンド大賞2021」の受賞ファンドで、6月末時点の10年リターンはTOPIX(配当込み)を上回っている。
1位の「日興キャッシュリッチ・ファンド」は、現金など流動性の高い金融資産を多く保有するキャッシュリッチ企業へ投資することが特色。資産の質を十分に精査したうえで投資することで、下値に強いだけでなく市場の上昇局面でも追随してきた実績を持つ。
年金・機関投資家向け戦略としても知名度が高いのが2位の「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」。割安な状態となっている企業の主要株主になることで、対話によって企業価値向上を図っていくことが特色。事業の海外展開や合併、親子上場廃止の提案など様々な角度から投資先に提案してきた。
3位の「大和住銀DC国内株式ファンド」は、収益対比での割安度(PER)を重視したバリュー投資の王道とも言える投信で、組み入れ銘柄は大型株が中心だ。

(格付投資情報センター)
[日経マネー2021年10月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/8/20)
価格 : 750円(税込み)
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