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在宅介護と施設介護 サービス内容と費用の目安を知る

介護にかかるお金と必要な備え(下)

老後のお金について考える時、気になるのが介護にかかる費用のこと。自分や配偶者に介護が必要となる前に、親の介護に直面する可能性も高い。「介護にかかるお金と必要な備え」の2回目は、在宅介護と施設介護、それぞれのサービスの中身と費用の目安について解説する。

在宅介護サービスは必要なものを選ぶ

介護の具体的なイメージをつかむために、在宅介護ではどのようなサービスが利用できるのか、介護付きの高齢者向け施設や地域密着型サービスにはどんなものがあるのかを知っておこう。

在宅介護の場合はケアプランを作成する時に、介護を受ける人や家族の要望をケアマネジャーにしっかり伝えることが大切だ。必要なサービスを上手に組み合わせることで、満足のいく介護が受けられる。

在宅介護サービスを利用した時の自己負担額は、要介護3で介護サービスを限度額いっぱい使った場合で月約2万7000円。訪問介護やデイサービスなどのない日は、家族が介護することになる。

費用の差が大きい介護付き有料老人ホーム

高齢者向けの施設・住まいは種類が多くて分かりにくいが、施設内のスタッフによる介護が受けられる「介護付き」か、そうでないかで分けられる。

介護付き施設のうち「特別養護老人ホーム(特養)」は、介護保険の自己負担と食事代などを合わせて毎月の費用が10万円程度で済むため人気が高く、入所待ちが100人以上ということも珍しくない。現在は要介護3以上でないと入所できない。個室の場合は費用が月数万円高くなる。

有料老人ホームのうち、一定の基準を満たして「特定施設」の指定を受けたものが「介護付き有料老人ホーム」で、それ以外は「住宅型有料老人ホーム」となる。どちらも居室は個室で、トイレや洗面台付き。その他に食堂、リビングルームなどの共用スペースがある。

入居一時金や毎月の費用は、施設によって大きな差がある。一時金の有無で毎月の費用が異なるプランを選べるところや、入居時の年齢が高いほど費用が安くなるところもある。一時金や毎月の費用が無理なく支払えるかどうかが、施設選択のポイントとなる。

認知症の人専用のグループホームは、入居者もできる範囲で食事の支度などを手伝うことで、認知症の進行を抑える効果が期待できる。居室は個室で、食堂などの共用スペースがある。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とケアハウス(一般型)は、バリアフリーで安否確認サービスなどの付いた高齢者向けの賃貸住宅で、家賃や食事代などがかかる。

住宅型有料老人ホーム、サ高住、ケアハウス(一般型)には介護スタッフがいないので、介護が必要になったら外部の事業者と契約して施設内で在宅介護サービスを利用することになる。介護度が高くなった時は退所しなければならないケースがある点に注意したい。

地域密着型サービスの「小規模多機能型居宅介護」は毎月定額でデイサービスを週5日利用することも可能なので「介護しながら仕事を続けやすい」(社会保険労務士でFPの井戸美枝さん)。ただし、ショートステイの際は別途利用料と食事代を負担する。

親の介護にどう備える?


親の介護を考える時、大前提となるのは「親の介護は親のお金ですること」と井戸さんは話す。そのためには親のお金について知っておくことが重要だ。受け取っている年金額や保有している金融資産の額によってどんな介護が受けられるのかが変わってくるし、親のお金を使うには、預金口座のある金融機関も把握しておかなければならない。

もう一つ重要なのは、親自身がどんな介護を望んでいるかということだ。できる限り自宅で介護を受けたいという人が多いが、高齢の夫婦あるいは単身で暮らすのは健康や防犯面などで不安だから有料老人ホームに入りたいという人もいる。お金や介護のことを面と向かって尋ねるのが難しいという場合は、会話の中などで少しずつ探っていくといい。エンディングノートを利用する方法もある。

事前の情報収集も大切だ。自治体が発行している介護関連の冊子やホームページで、親の住むエリアの地域包括支援センターや特別養護老人ホーム、グループホームの場所などを確認しておきたい。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

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