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住宅ローンは借り過ぎに注意 予算決めて物件選びを

3大支出への備え方(中) 住宅購入費

住宅ローンの返済や教育費支出が60歳以降も続き、老後資金の「ためどき」がない世帯が増えている。そんな「ためどき不在世帯」でも、無理なくライフイベントを乗り切るためのマネープランを考える「3大支出への備え方」。今回は住宅購入費について、押さえておくべきポイントをみていこう。

40代以降に組むローンは返済期間に注意

60代まで住宅ローンや教育費の負担が続く世帯の場合、ローンを返済しながら老後資金づくりをしていく必要があるが、ローンの負担が重過ぎると老後資金が思うようにためられない。また、40代以降にマイホームを購入して返済期間が25年以上の住宅ローンを借り入れると、当然ながら65歳以降もローンを返さなければならず、老後の家計が圧迫される。 

従って、これからマイホームを購入する「ためどき不在世帯」は、「老後資金をためながら無理なく返済できる住宅ローン」を考えなければならない。そのためにはしっかりした資金計画が必要だ。

頭金は物件価格の2割が目安

住宅ローンの毎月の返済額は、借入額、借入金利、返済期間の3つで決まる。借入額が少なく、金利が低く、返済期間が長いと毎月返済額は少なくなる。ただし、借入額と金利が同じ条件なら、返済期間は短い方が総返済額が少なくなる。

今の状況を見ると、金利は低いが借入額が多いため、返済期間を30年あるいは35年と長くすることによって毎月の負担を抑えている人が多いようだ。だが、40歳以降に住宅ローンを借り入れて30年、35年も返済を続けるのは避けたいもの。そのためには借入額を少なくする必要があり、頭金を多くしたり、物件価格を下げたりしなければならない。

住宅購入時に用意しておきたい頭金の目安は一般に、物件価格の2割以上。頭金がなくても借り入れはできるが、その分借入額が多くなり、ローンの負担が重くなる。

また、頭金なしの場合は、頭金が一定額ある場合より住宅ローンの金利を高くしている金融機関もある。「頭金がない」イコール「これまで計画的な貯蓄をしてきていない」ということで、ローンの返済に行き詰まるリスクがあると判断されて金利が高くなるのだ。

実際のところ、計画的な貯蓄をしてこなかった人がローンを返済し始めたら、ますます貯蓄できなくなる。いつかは住宅を購入したいが十分な貯蓄がないという人は、住宅購入の目標時期を決め、それまでに頭金をコツコツためよう。そうすれば住宅ローンの負担を抑えられるし、家計をきちんと管理できる体質をつくることにもつながる。

年収から無理なく返せる借入額を算出

過大な住宅ローンを抱えている人には、物件を選んでから資金計画を立てているケースが多い。気に入った物件があると、その人にとって高額であっても多額の借り入れをして買ってしまい、購入後にその負担が家計にのしかかってくるというパターンだ。

買い物をする時は通常、先に予算を立てるはず。マイホームも同じように、予算を決めてその範囲で物件を探すことが大切だ。一般的に、無理なく返せる住宅ローンの返済額(年額)は、手取り年収に対して25%程度。そこから借入額を計算し、それに購入目標時期までにためられる頭金を足したものが物件の予算額となる。この範囲内の購入であれば「借り過ぎ」を防ぐことができ、ローン返済と同時に老後資金をためていくことが可能になる。

60歳以降も働いてローンを返す

既にマイホームを購入して住宅ローンを返済中の人は、ローンの返済がいつまで続くかを確認しよう。60歳以降にローンの返済が続いても、働いて収入を得ることでローンを返済していける。70歳以降もローンが残るのであれば、働きながらお金を貯めて、70歳時点で一括返済しよう。

現在、企業は65歳までの働く意欲のあるシニアの雇用を確保することが義務付けられており、今年4月からは70歳までの就業機会の確保も努力義務となった。60歳以降も働き続ければ、60代に「ためどき」をつくることができる。 

ただ、60歳以降も働いたとしても、年収が大きく下がるケースは多いだろう。その場合の対処法の一つは副業などのダブルワーク、もう一つは転職や起業などのキャリアチェンジだ。どちらの場合も50代のうちから準備を進めておく必要がある。長く働き続けるためには資格や技能の取得が有効。厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講すると、受講費の一部を給付金として受け取ることができる「教育訓練給付金」を上手に活用するといい。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

[日経マネー2021年11月号の記事を再構成]

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