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新たな成長の芽を持つ企業に投資 好成績を実現

トップファンドマネジャーに学ぶ銘柄発掘法(下)

投資信託の運用で長期にわたり好成績を実現してきたプロの有望銘柄の探し方を紹介する「トップファンドマネジャーに学ぶ銘柄発掘法」。今回紹介するのは、エンジェルジャパン・アセットマネジメントの銘柄選びの視点。シニア インベストメント・マネージャーの金沢健博さんに話を聞いた。

成長力のある中小型株に3つの局面で投資

シニア インベストメント・マネージャーの金沢健博さん。大手証券のセクターアナリストを経て2002年に入社

中小型株に投資する投資信託の運用助言を行うエンジェルジャパン・アセットマネジメント。成長株投資の専門家集団だ。助言する投信は好パフォーマンスを上げている。どんな視点を持って銘柄を選んでいるのだろうか。

エンジェルジャパンの特色は、企業の成長段階を3つのフェーズに分けて投資する点にある。それは①新規公開型投資②新成長型投資③堅実割安型投資だ。

新規公開型投資は、IPO(新規株式公開)を機に既に手掛けているビジネスモデルで成長への道を歩み始めた企業への投資。新成長型投資はIPOから時間がたち、次の成長を模索して既存のビジネスから第2・第3の事業を始め成長を遂げようとしている企業への投資。堅実割安型投資は堅実な成長が見込まれる企業の中で、財務が良好な企業の株価が何らかの理由で売り込まれ下落した局面での投資、というものだ。それぞれ50社ほどのポートフォリオを作成している。

3つの投資戦略を基に運用されている投信の例には、新規公開型投資はSBIアセットマネジメントの「SBI小型成長株ファンド」、新成長型投資は明治安田アセットマネジメントの「新成長株ファンド」や「SBI中小型成長株ファンド」、堅実割安型投資は「SBI中小型割安成長株ファンド」などがある。

「3つの投資戦略ともに長期で見れば、昨年末時点で年率リターンは21~22%と大きな差はない」と金沢さん。ただ過去5年など短期間で見ると、パフォーマンスには違いが出る(下グラフ)。この5年では新成長型投資、新規公開型投資の運用成績の強さが見て取れる。特にコロナショック後の戻り局面では、新成長型投資のパフォーマンスが際立っている。

「堅実割安型は、他のポートフォリオに比べ設備投資関連企業など地味な銘柄が多い。コロナ後の投資環境で言えば、医療関係や半導体関連などの銘柄が入る新成長型の方がこれまでのところは有効だったのだろう」と金沢さんは説明する。

「成長の壁」を乗り越える力に注目

では新成長型の投資戦略では、どのように銘柄を探しているのか。新成長型のポートフォリオに入っているエランを例に見てみよう。入院患者向けに衣類やタオルの洗濯サービス付きレンタルを手掛ける同社が上場したのは2014年。「単身家庭が増える中、こうしたサービスは必要になる」と注目。しかし提携病院拡大に伴う社員増のため営業効率が下がるなど一旦は「成長の壁」にぶつかる。

だが、その後、在庫管理の見直しや一部業務を外注するなどで利益拡大が見え始めたため、新成長型のポートフォリオに組み入れたという。従前の事業を見直して利益成長を図ろうとする段階での投資も、成長株投資では有効な手段となる例だ。

一方、半導体検査装置のレーザーテックは、業績が伸び悩む時期がいっときはあったものの、EUV(極端紫外線)に対応した最先端の検査装置開発に取り組んできた。「半導体の高度化・微細化は避けられない」という時代の流れから、いずれ同社のポテンシャルは高まるとみて新成長型ポートフォリオに組み入れていたという。

足元の業績には反映されていなくても、いずれ開花するであろう事業を地道に手掛ける企業への投資の一例といえるだろう。

(佐藤由紀子)

[日経マネー2021年4月号の記事を再構成]

日経マネー 2021年4月号 ニューノーマル時代の新10倍株で勝つ!
著者 : 日経マネー
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