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ミニマリスト流でOK? あなたに合う片付け法を診断

NIKKEI STYLE

「私、片付けられないタイプなんです」と悩む人は多い。だが、それは片付け方が合っていないせいかも。性格診断で、あなたに合った片付け方を見つけてほしい。

昨今では「とにかく捨てる」「収納グッズを駆使する」など、様々な片付け術がメディアで紹介されている。それらを試みても挫折してしまい、自信を喪失している読者もいるのではないだろうか。

本来片付けは機械的なスキルだ。筋トレのように、正しいやり方を学べば誰もが習得できるものである。「全部出す」「モノの意味を定義する」「定位置を決める」「元に戻す」を繰り返していけば、性格に関係なく誰もが整った部屋をキープできる。

しかし片付けを進める上で感じる「苦しさ」の度合いには、個人差がある。これを見極めるため、私がクライアントから片付けの相談を受ける際には必ず、「モノへの愛情」と「収納に対する意識」の2軸で、タイプ診断することにしている。

下の表に20問の質問リストを記載しているので、ぜひペンで丸をつけながらトライしてみてほしい。「モノへの愛情」と「整理収納意識」の高低で、4タイプに分類できる。

片付いた状態を楽にキープできるのは、モノへの愛着が低く、収納意識が高い「ミニマリスト」タイプだ。ホテルのようにモノが少ないので、掃除の手間がかからない。機能性を重視してモノを厳選するため、無駄な買い物は一切行わず、衣替えの必要もない。「とにかく捨てる」式の片付け術がゴールとする、効率的な生活スタイルだ。

短期間の片付けで劇的な成果を出せるのは「ゴミ館仙人」タイプ。モノにこだわりがある訳ではないのだが、忙しさを理由に収納から目を背けている。このタイプの人には、大きなゴミ袋を持って、とにかく捨てることを推奨している。一念発起すれば、テレビ番組のビフォーアフター企画に近い変身が、短期間で実現できるのだ。

片付けに一番苦労するのが、モノへの愛着が強いが収納意識の低い「秘密基地住人」のタイプだ。「思い入れ」が「便利さ」よりも優先されてしまうため、捨てることを強要すると、傷心からのリバウンド行動を起こしてしまう。かといって「カリスマ収納職人」のように、こまめに家事に取り組む余裕もないため、整理収納アドバイザーも指導方法に悩むタイプである。

サマリー(東京・渋谷)が片付けへの挫折経験をタイプ別に集計した調査によると、「ミニマリスト」は挫折率が2割だったのに対し、「秘密基地住人」の挫折率は7割だった。モノへの愛着が強い人はそれだけ、片付けの難易度が上がるということがデータからも確認できる。

では秘密基地住人に診断されてしまったら、片付けを諦めるしかないのだろうか。答えは否で、丁寧にモノと向き合う時間をとることで、時間はかかるが必ず片付いた部屋は手に入る。ミニマリストのようになるのは無理かもしれないが、その人に合った片付け方がある。具体的な片付け方法については本コラムで今後も掲載していく予定だ。

テレワークが増えたこともあって、家族で過ごす時間が増えている昨今。「パートナーが洋服を脱ぎっぱなしにする」「散らかった部屋に誘惑が多すぎて仕事に集中できない」など、片付けに関する悩みは絶えない。サマリーの調査によると、半数以上の夫婦が、モノのトラブルが原因で結婚を後悔した経験があるという。

アイドルグッズやフィギュアなど、集めること自体を趣味にしている人は多い。パートナーがこうしたモノへの愛着が強いタイプだったら、「モノが多いから捨てなさい」と説教をしても、効果は薄いだろう。1つも手放したくないと意地になってしまうのがコレクター心理というものだ。

だからといって、勝手にモノを捨てるのは言語道断。まずは相手がモノや収納に対してどのような価値観を持っているかを把握するところが第一歩だ。片付いた部屋には、掃除がしやすい、家賃が節約できる、不要な買い物や外出が減る、仕事に集中できる、リラックス効果が高いなど、数々のメリットがある。モノへの愛着を尊重しつつ、自宅の空間をより快適にするべく、歩み寄ることが大切だ。

◇  ◇  ◇

愛着あるものも定期的に整理

愛着のあるものを捨てる必要はない。だが、押し入れにしまい込んだままでは、ほこりがたまり、何を持っているか記憶も曖昧になる。定期的に整理しよう。

通常の整理では、使用頻度で分類するが、コレクション品に「使用」という概念はそぐわない。手にとる頻度や愛着の深さなど、自分なりに分類し、グループごとに定位置を定めていく。愛着が強いモノは部屋に飾る・環境の良い場所に保管するなどの特別扱いをし、愛着が弱いモノはデータ化する・友人に譲る・オークションで売るなどして、部屋の空間を捻出しよう。

(整理収納アドバイザー 米田 まりな)

[NIKKEI プラス1 2022年1月29日付]

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