夢や理想で終われない 自社内循環、パタゴニアの本気度
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東京・渋谷の通称「キャットストリート」の一角に9月、行列ができた。列の先には、アウトドアウエアで知られる米パタゴニアの渋谷店。割引セールの日でも限定商品の売り出し日でもない。店内に足を踏み入れると、こんな看板が目に飛び込んできた。
「必要ないモノは買わないで。」
貴重な場所とタイミングであえて古着
陳列商品をよく見ると、しわがあるなど誰かが一度着たようなウエアばかり。それもそのはず、ここにはパタ...

大量につくられ、買われ、そして大量に捨てられる。こんな前提のアパレル産業がぐらついて久しい。売れ残りやセールを見越した価格設定を消費者は見透かし、年50万トンを超える廃棄物は明らかに環境へ負荷をかける。悪い流れをなんとか断ち切ろうと奮闘する先駆者の姿を追った。「いま着ている服、買おうとしている服は本当にサステナブル(持続可能)ですか」。こう問われる時代が近く来る。