イチローさん、都立新宿高を指導 「文武両道に興味」

プロ野球オリックス、米大リーグのマリナーズなどで活躍し、2019年3月に引退したイチローさん(49)=本名鈴木一朗=が27日、東京都新宿区の都立新宿高校で、2日続けて野球部員に臨時指導した。文武両道の同高は、18年から小学生に野球教室を行っている。イチローさんは「勉強をやりながら野球をやるのは、時間が限られている。普及活動も熱心にやっている。僕も興味があって来ました」と訪問理由を語った。
新宿高は強豪校とは言えず、部員も20人弱。イチローさんはキャッチボールなどで「力を抜く」や「下半身から力を伝える」など、実演を交えながら熱心に助言を送った。打撃も披露して鋭い打球を連発し、球児は感嘆の声を上げていた。
一緒に汗を流し、大声を出して叱咤(しった)激励する姿に、田久保裕之監督(41)は「イチローさんは野球小僧でした。もっと打ち込んでみようよ、と物足りなさを感じる時がある。うちの子に足りないものを身をもって見せてくれた」と感謝した。
生徒も積極的に質問を繰り返した。イチローさんは指導を終え「きのう、きょうだけで劇的に変われた。みんな、ちゃんとやってよ」と言い残し、全員と握手をしてグラウンドを離れた。〔共同〕