IOC、ロシアのアジア大会参加容認 五輪復帰へ軟化
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【ジュネーブ=共同】ウクライナ侵攻に伴って国際スポーツ大会から除外されているロシアとベラルーシの選手を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)が25日、中立の立場など条件付きで本格的な復帰を検討していくと発表した。アジア・オリンピック評議会(OCA)は26日、IOCに賛同する声明を出し、特別措置として「アジア大会(中国・杭州)を含むアジアでの競技会に、ロシアとベラルーシの選手が参加する機会を提供することを申し出た」と明らかにした。
IOCは来年のパリ五輪に向けて姿勢を軟化させた形で、両国選手の復帰に「厳しい条件」を課すとしたものの「積極的に戦争を支持しないこと」など線引きが曖昧。ウクライナのクレバ外相はツイッターで「IOCはロシアの戦争犯罪を無視している」と批判した。
国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は「スポーツと政治は切り離すことができる」と指摘し、今年後半のIPC総会で両国に科している無期限の資格停止処分に関して協議する考えを表明した。
IOCは昨年2月、両国選手を国際大会から除外するよう全ての国際競技連盟や大会主催者に勧告。パリ五輪の予選が始まる中、大半の競技で出場を認められずにいる。AP通信によると、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のポズドニャコフ会長は声明で「常識的な考えを聞き入れてくれた」と歓迎の意を強調。「われわれの優先順位は変わらない。選手の権利と利益を守ることだ」と訴えた。