ラーメンがのびない 新型容器が覆す「出前の当たり前」
ラーメン経済学(5)
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ゆで時間や食材の切り方など、店主の腕前一つで味が大きく変化するラーメン。時間がたてば麺がのびることもあり、「出来たてをお店で」はおいしいラーメンを食べたいなら半ば常識だった。それが足元の新型コロナウイルス禍で覆りつつある。革新の担い手は「縁の下の力持ち」だったデリバリー会社や製麺会社。テークアウトも含めた「中食」分野で、商品開発が急ピッチで進む。
「麺がのびない」容器の革新
東京都内で本格的な味...

日本独自の進化を遂げ、魚介から野菜まで素材にこだわり抜くことで多彩な味の広がりをみせるラーメン。日本食の多様性を象徴する「国民食」に上りつめ、世界の食通も注目する。究極の満足度をもたらす一杯を目指して全国の人気店、有力店がしのぎを削り、熱く強力なラーメンフリークたちはネットワークを駆使して新店の情報を教え合う。人気が人気を呼ぶ展開は日常食の枠を超え、「食」の新体験をもたらす上質なエンターテインメントの色彩を帯びる。しかし、足元は新型コロナウイルスの逆風。ラーメン店の倒産件数は2020年に過去最多になったという。長蛇の列が取り巻いた人気店も方向転換を迫られるなか、アフターコロナを見据えたラーメン業界の今とこれからを「経済」の視点から読み解く。