スピードスケート、デビット前HC「日本の強さ示せた」

スピードスケートのナショナルチーム(NT)で女子のエース高木美帆(日体大職)らを率い、五輪のメダル量産に貢献したオランダ人のヨハン・デビット前ヘッドコーチ(HC)が10日までに共同通信のインタビューに応じ「日本の強さを示すことができた。最高の歩みだった」と大躍進の約7年間を振り返った。
今後の活動形態を明確に表明していない高木美と「一緒に練習したい気持ちはある」と望みつつ、具体的な協議は進んでいないと強調。「美帆は結論を急がず、まずは強い体をつくり直すことを考えている。彼女がどのような道を選択したとしても、求められる限りのサポートはしたい」との考えを示した。
デビット氏は、2014~15年シーズンにオランダで活動した高木菜那さんら日本電産サンキョーの選手を指導し、翌シーズンからNTに招かれた。科学的かつ情熱的な指導で選手の信頼を得て、低迷していた日本を再建。18年平昌、22年北京の両五輪でメダルラッシュに導いた。
3月に日本連盟から退任を告げられ、他のオランダ人スタッフとともに日本を去ることになり「話し合う機会もなく、悲しかった」。新体制となるNTについては、有能なスタッフの不足やノウハウが継承されないことなどを指摘し「日本のスケートに明るい未来はないのではないか。私が来る前の日本に戻りかねない」と危惧する。一方で「私が間違っていることを願う」と選手のさらなる活躍に期待を寄せた。〔共同〕