近代五種から馬術除外へ 28年五輪での実施視野
【トリノ=共同】国際近代五種連合(UIPM)は4日、1人の選手が水泳、フェンシング、馬術、射撃とランニングを行う現行方式から馬術を除外し、代替種目を検討すると発表した。2024年パリ五輪後に採用し、28年ロサンゼルス五輪は新方式での実施を目指す。人気低迷で五輪の実施競技から外される可能性を懸念し、大胆な改革が必要だと訴えた。
東京五輪でドイツのコーチが馬をたたき、出場資格を剝奪された問題も影を落としていた。新種目は低コスト、輸送の負担軽減、都市型などの観点で検討する。英紙ガーディアンは自転車が導入されると報じていた。
近代五種は、近代五輪の創始者クーベルタン男爵が考案、五輪では1912年ストックホルム大会から実施されている。
日本近代五種協会の冨安一朗事務局長は5日、UIPMの発表を受け「混乱している」と話した。2012年ロンドン五輪の女子に出場した阪部(旧姓黒須)成美さんは「やっていた身としては馬術がないのは考えられない。英国の新聞が報じたように、もし馬術が自転車に置き換わったとしたら、それはほぼトライアスロン」と危機感を口にした。
東京五輪の金メダリストらは会員制交流サイト(SNS)などで馬術の競技写真とともに「近代五種を守ろう」と反対の意思を表明している。