スプラトゥーンにマリオカート 任天堂、ソフトなぜ強い - 日本経済新聞
/

スプラトゥーンにマリオカート 任天堂、ソフトなぜ強い

任天堂まとめ読み

幅広い層から愛される任天堂のゲームソフト。コロナ禍の巣ごもり需要に応える形でヒットした「あつまれどうぶつの森」や、2022年9月発売の「スプラトゥーン3」など、人気作が続いています。22年11月に「ニンテンドースイッチ」向けに発売した「ポケットモンスター」最新作は、世界販売本数が発売から3日間で1000万本を超え、同社のゲーム機向けソフト発売後3日間の販売本数で歴代最多となりました。23年も「ゼルダの伝説」や「ピクミン」の新作など、注目作の発売を控えています。任天堂がヒット作を生み出し続けられる背景に迫った記事をまとめました。(データなどは記事公開当時のものです)

新作ソフトの販売好調、スイッチの苦戦補う

任天堂が11月8日発表した2022年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比34%増の2304億円だった。「あつまれ どうぶつの森」のヒットや巣ごもり需要を受けた20年4~9月期(2131億円)を超え、4~9月期では過去最高となった。円安による為替差益が寄与したほか、ソフト販売が堅調だった。一方で「ニンテンドースイッチ」は半導体不足で生産に苦戦しており、23年3月期通期の販売見通しを1900万台と従来予想から200万台引き下げた。

4~9月期の売上高は前年同期比5%増の6569億円だった。スイッチの販売台数は19%減の668万台と苦戦したが、海外売上高比率が8割近いこともあり、円安で647億円の増収効果があった。9月に発売した「スプラトゥーン3」の世界販売が790万本になるなどソフト販売は堅調で、4~9月の販売本数は2%増の9541万本だった。...続きを読む

スプラトゥーン3、ユーザーの幅広く

任天堂が11月9日にオンラインで開いた経営方針説明会での古川俊太郎社長と「マリオ」の生みの親として知られる宮本茂フェローとの主な質疑応答は以下の通り。

――2024年3月期の事業展開をどう捉えていますか。

古川氏「スイッチもさすがに7年目にもなれば、新規需要は最初の数年に及ばない。ただし複数台需要や、従来のモデルから(21年10月発売の)有機ELモデルへの買い替えなど様々な需要も生まれている。足元のハードの販売も堅調に推移しているので、勢いを持って7年目に入れるのではないか」

「ソフトに関しても18日には『ポケットモンスター』の新作を発売するほか、23年には『ゼルダの伝説』や『ピクミン』の新作など、大切なIPの発売を控えている。23年4月公開予定のマリオの映画も非常に重要な取り組みだ」

――「スプラトゥーン3」は特に日本でヒットしています。

古川氏「(発売3日間で345万本を発売した)日本の初動が大きいので、海外が小さく見えるが、海外で売れていない認識はしていない。海外もまだまだ伸ばせる余地がある」「スプラ3のヒットで想定を大きく上回ったのは(過去シリーズを遊んでいない)新規のユーザーが多かったことだ。スプラ2を発売した17年とはスイッチのユーザー層も変わっており、幅広いユーザーに手に取ってもらえるようなゲームになった」...続きを読む

「誰でも楽しめる」、マリオカート人気持続の要因は

任天堂は2017年4月発売のニンテンドースイッチ向けソフト「マリオカート8デラックス」(マリカ8DX)の累計販売本数が4335万本(21年末時点)となったと明らかにした。「マリオ」ゲームとして過去最高だった1985年発売の「スーパーマリオブラザーズ」(累計販売は4024万本)を超える歴史的なヒットだ。マリカ8DXのプロデューサーの矢吹光佑氏にその人気を支える秘訣について聞いた。

――マリカシリーズの人気をどう分析しますか。

「一般的なレーシングゲームは相手を邪魔することはない。だがマリカは甲羅をぶつけたり、バナナで相手を滑らせたりする。そんな独自の駆け引きがマリオカートの本質的な魅力ではないかと思う」

――8DXの開発では間口の広さはどう意識しましたか。

「誰もが楽しい経験が残るようにしたい。負けると悔しいかもしれないが、何か笑ってしまったり、『次は勝てるのでは』と思ったり。勝ち負けとは別の感情が残ると良いなと思う。ゴール直前でバナナで滑ってしまうなど、『まさかこんなことが』みたいなことが次々と起こるように設計している」

――今後、マリカシリーズをどう発展させていきますか。

「(任天堂の岩田聡元社長が提唱した)『5歳から95歳まで』という言葉がある。誰でも楽しめるという点で究極的な目標だ。人を誘いやすいシステムやハンドルアシストなどの改良を積み重ねて目標に一歩ずつ近づいていきたい」...続きを読む

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません