熊本県・熊本大学、次世代半導体技術実現へ国交付金採択
シリコンアイランド
熊本県と熊本大学は3日、内閣府から「地方大学・地域産業創生交付金」に採択されたと発表した。半導体関連産業の強化へ国に交付を求め、次世代技術である「3次元積層実装」の量産化と人材育成に取り組む。2023年度から事業を始める予定だ。

3次元積層実装を熊本で確立することで、設計や製造装置など関連産業の振興を目指す。熊本は前工程分野で一定の強みを持っており、製造工程の強みの幅を広げる狙いもある。
熊本大は研究者や製造現場の管理職など、幅広い分野の人材の育成も進める。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)進出により、熊本では人材育成が急務となっている。関連する地場企業十数社などと23年度にコンソーシアムを立ち上げ、研究とビジネスを結びつけるエコシステムを形成する。
半導体不況時に地場中小企業が影響を受けにくくするよう、技術力などを高めることも目指す。TSMCの製造子会社、JASM(熊本市)との共同研究などは現時点で予定していないという。
国は自治体が主導した産学官連携で地域の中核的な産業を創出・振興し、特定分野に強みを持つ大学づくりを同交付金を通じて支援する。

九州で「シリコンアイランド」復活に向けた動きが広がっています。半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を機に、関連企業が九州に集まりつつあります。最新のニュースを伝えます。