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九州・沖縄企業「23年度に賃金改善」58.6% 運輸で高く

帝国データバンク福岡支店がまとめた賃金動向に関する意識調査によると、九州・沖縄の8県で2023年度に定期昇給を除く賃金の底上げを見込む企業の割合は58.6%となった。22年1月の前回調査(55.2%)から3.4ポイント上昇した。「ない」との回答は15.3%で過去最低だった。物価上昇を受けて従業員の生活を守ろうと考える企業が増えているようだ。

ベースアップや賞与・一時金の引き上げによる賃金改善が「ある」と回答した企業を業種別に見ると、トラック運転手らの残業規制が厳しくなる「2024年問題」を抱える運輸・倉庫業が68.4%で最も割合が高かった。新型コロナウイルス流行による経済活動自粛が緩和され人手不足感の強いサービス業も61.5%だった。

改善の理由(複数回答)としては今回調査で新設した「従業員の生活を支えるため」が71.9%と、最多だった「労働力の確保・定着」(73.0%)とほぼ並んだ。企業からは「厳しい選択だが、従業員の生活を守る使命がある」などの声が聞かれた。

物価動向も58.9%で前回調査から36.3ポイントと大きく伸びた。一方で賃金改善が「ない」と回答した企業の24.2%も物価動向を理由にあげており、原材料価格の高騰を転嫁できず、賃金改善の余裕が無い企業も多い。

23年度の総人件費が22年度と比較して増加すると回答した企業は70.5%で過去最高となった。

調査は1月18〜31日に九州・沖縄に拠点を置く2593社を対象に実施し、1025社から回答を得た。

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賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。

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