オリックス系、福岡に2ホテル開業 地域とつながり重視
オリックス・ホテルマネジメント(東京・港)は30日、福岡市内に2つのホテルを開業すると発表した。博多駅や繁華街の天神へのアクセスがいい場所で、観光や出張、ワーケーションの客を取り込む。ホテル近隣の飲食店を紹介するパネルの設置やカフェでは地元コーヒー店の豆を使うなど、地元とのつながりを重視した施設にする。

地下鉄七隈線の渡辺通駅近くに「クロスライフ博多柳橋」を、同線天神南駅近くには「クロスライフ博多天神」を、いずれも10月1日にオープンする。柳橋は地上12階建てで客室が242室、天神は同13階建てで286室ある。料金は素泊まりで柳橋が6000円台から、天神が7000円台からと、同社の手掛けるホテルとしては価格を抑えた。
ホテルでは地域とのつながりを重視する。レストランで使う食材には糸島産のネギや県内で製造された味噌など地元産を使い、カフェでは地元コーヒー店の豆を使用して宿泊客らがコーヒー店に足を運ぶことを促する。1階にはホテル周辺の飲食店や自治体を紹介するパネルを設置する。柳橋では各階に設置する表示板などに福岡県の小石原焼を使い、福岡で活躍するアーティストの作品も設置する。
ホテルのレストランでは朝食のみ提供し、昼からはホテル利用者でなくてもカフェでコーヒーを購入すればコワーキングスペースやカフェテリアとして利用できるようにする。レストランスペースを活用し、利用者が地元の企業やクリエーターと交流するイベントを実施する。
似内隆晃社長は30日開いた記者会見で、10月11日から入国者数の上限撤廃など外国人客が日本を訪れやすくなることも踏まえて「地元の情報や体験を発信していきたい」と話した。