持続的発展へ連携協定 大分・国東市と長大、九州大学
大分県国東市と建設コンサルタントの長大、九州大学都市研究センターは、地域を持続的に発展させるための包括連携協定を結んだ。市民の健康増進や、水・食・住・エネルギー分野での地域自立につながる取り組みなど9項目で協力し、地方創生を実現する。長大が九州の自治体と包括連携協定を締結したのは国東市が初めてだ。

長大はエアモビリティ(東京・新宿)と資本業務提携し、「空飛ぶクルマ」事業にも参画している。永冶泰司社長は「例えば、国東市にあって『宇宙港』化構想が進む大分空港と別府市内を空飛ぶクルマで往復できる世界が実現できれば地域が発展し、若者が定住する。そんな成功例をつくり、他の地域にも広げることが重要だ」と話した。
九大都市研究センターの馬奈木俊介センター長は「地域課題を解決する取り組みの成功・失敗要因を『見える化』し、成功例は海外で事業展開できるようにしたい」と述べた。国東市の三河明史市長は「連携・協力事項が多くの分野にわたるのはそれだけ課題が多いことの証左だ。3者の連携を通じてこれ以上の人口減を避け、持続可能な地域をつくっていく」と言葉に力を込めた。
長大は大分県別府市では民間資金で公園整備を進める「Park-PFI」によるグランピング施設「グランシア別府鉄輪」の事業に関わっている。2016年の熊本地震で崩落した阿蘇大橋に代わって21年3月に開通した新阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)の計画・設計にも携わった。北海道更別村とはビッグデータなどの先端技術を活用して地域を活気づける「スーパーシティ構想」の推進に向けた包括連携協定を結んでいる。
九大都市研究センターは別府市や別府市旅館ホテル組合連合会とも包括連携協定を結んでいる。別府の温泉が持つという免疫力を高める効果を科学的に証明することを目指しており、21年度中に一定の検証結果を得たい考えだ。