沖縄電力、燃料費高騰で初の連結最終赤字へ 23年3月期

沖縄電力は29日、2023年3月期の連結最終損益が308億円の赤字になる見通しだと発表した。燃料費の高騰により、1995年3月期に連結決算の公表を始めてから初の最終赤字に転落する。単体でもオイルショックの影響を受けた81年3月期以来、42年ぶりの最終赤字となる見通しだ。配当も初めて見送る。
4月時点ではロシアのウクライナ侵攻などに伴う燃料費高騰で先行きが見通せないとして、23年3月期の業績予想を示していなかった。本永浩之社長は「第1四半期で燃料費の実績が確定し、ある程度合理的に燃料費を想定できた」と説明した。
売上高は新電力向けの卸売価格の上昇などで24%増の2190億円を見込む。一方、国の「燃料費調整制度」で既に電気料金に転嫁できる上限に達し、コスト上昇分を料金に反映できないため利益が削られる。
同日発表した22年4~6月期の連結決算は、最終損益が68億円の赤字(前年同期は15億円の赤字)だった。本永社長は「燃料価格の高騰が長く続けば、電力の安定供給に支障を来す恐れがある」との認識を示した。