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沖縄県、辺野古設計変更認めず 政府の軟弱地盤改良工事

沖縄県の玉城デニー知事は25日の記者会見で、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画に関し、防衛省が申請した設計変更を認めないと表明した。埋め立て予定地の軟弱地盤の調査や環境保全対策が十分でないと判断した。

同日に防衛省沖縄防衛局に通知した。

玉城氏は「地盤の安定性にかかる設計で最も重要な地点で必要な調査が実施されておらず、環境保全に十分配慮した対策が取られていない」と主張した。「公有水面埋立法に基づき適正に判断した」と述べ、工事の中止を求めた。

岸信夫防衛相は25日、防衛省で記者団に「理由を精査した上で対応を決める」と語った。政府は対抗措置を取る構えで、新たな法廷闘争になる公算が大きい。

2022年1月の名護市長選や同年秋の知事選を控え、政府と県の対立が一段と深まる。

防衛省は20年4月、軟弱な地盤が見つかった埋め立て予定海域の北側について、設計変更を沖縄県に申請した。飛行場完成後の地盤沈下を防ぐため、約7万本の杭(くい)を打ち込む工事を加えた。

地盤改良工事の追加により、最短で22年度を予定した普天間基地の返還は30年代以降にずれ込む。総工費は従来の2.7倍の9300億円になる見込みだ。

南側の海域は陸地化が完了した一方、北側は公有水面埋立法に基づき、県の承認がなければ工事を進められない。約12年と見積もる運用開始までの期間は県の承認後を起点としており、さらに遅れるとみられる。

政府は13年に当時の仲井真弘多知事に埋め立ての承認を得て工事を進めてきた。14年に就任した翁長雄志知事と後継の玉城知事は辺野古移設反対を掲げ、承認の取り消しや撤回などを巡って政府との法廷闘争に相次ぎ臨んだが、県の勝訴が確定した例はない。

辺野古移設反対を掲げる玉城氏にとって、設計変更の不承認は法的な権限で埋め立て工事を止められる数少ないカードだ。県はこれまで沖縄防衛局に4回にわたり計約450の質問を送り、審査を進めてきた。

この時期の判断に踏み切ったのは、22年1月の名護市長選や秋の知事選に向け、辺野古移設反対の機運を高める思惑がある。10月31日に投開票した衆院選では自民党が4選挙区で2議席を獲得し、小選挙区で12年衆院選以来となる複数議席を得た。

移設反対派の勢力「オール沖縄」の支持に陰りがみられ、知事の支援組織などから「新型コロナウイルス対策などに関心が集まり、辺野古を争点にしきれなかった」との声があがっていた。

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