TSMCが変える熊本 「シリコンアイランド」まとめ読み

半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県菊陽町で建設を進める新工場が出荷を始めるまであと2年を切った。地元では鉄道や道路、住宅などのインフラ整備が急ピッチで進む。数百人規模で台湾から移住してくるTSMC従業員らの生活を支えようと地域住民も動き出した。TSMC進出が熊本の街を大きく変えはじめている。
前例のないペースで進むTSMCの工場建設に引っ張られるように、地元自治体が動きを加速させている。「阿蘇くまもと空港」へのアクセス鉄道計画はこれまでサッカーJ2、ロアッソ熊本のホームゲームが開かれる陸上競技場近くを通る三里木駅からのルートが本命とされてきたが、一転して肥後大津駅ルートで決着。「TSMC進出が決まった昨年秋から流れは変わった」(県幹部)
「従業員の皆様を歓迎します」。TSMCの工場が立地する菊陽町の庁舎に2022年12月半ば、日本語と中国語を併記した懸垂幕が掲げられた。地元住民や熊本在住の台湾人らによる草の根の支援活動も相次ぎ立ち上がった。日本全体が人口減や産業空洞化に苦しむ中、年1万人ペースで人口が減り続ける熊本県にとってTSMC進出は千載一遇のチャンスだ。
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九州で「シリコンアイランド」復活に向けた動きが広がっています。半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を機に、関連企業が九州に集まりつつあります。最新のニュースを伝えます。