沖縄戦77年 慰霊の日、平和の誓い新たに
(更新)

沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲になった人々を悼む「慰霊の日」を迎えた。77年前のこの日、多数の住民を巻き込んだ地上戦の末、旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる。沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、参列者は平和への誓いを新たにした。
式には遺族や岸田文雄首相、玉城デニー知事らが参列し、正午に犠牲者に黙とうをささげた。
玉城氏は平和宣言で米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設断念や日米地位協定の抜本的見直しを訴え、「米軍基地のさらなる整理・縮小など沖縄の基地問題の早期解決を強く求める」と語った。首相は「基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げる」と述べた。

県は新型コロナウイルスの感染防止を考慮し、コロナ禍前よりも規模を縮小。出席者は一昨年の161人、昨年の36人よりは多いものの約330人にとどまった。式では同県沖縄市立山内小学校2年の徳元穂菜(ほのな)さん(7)が平和の詩を朗読した。
国籍や軍民を問わず、沖縄戦の戦没者名を刻んだ石碑「平和の礎(いしじ)」には55人が追加刻銘され、2022年度の総数は24万1686人となった。