九州電力、再エネ発電事業者情報を42人が不正閲覧
九州電力は21日、従業員42人が経済産業省が管理する再生可能エネルギー発電事業者のデータベースを不正に閲覧していたと発表した。閲覧は送配電事業者のみ許されているが、従業員は顧客対応などの目的で使っていた。営業活動への利用は「確認されていない」(九電)という。

同データベースには固定価格買い取り制度(FIT)の対象に認定された発電事業者や発電設備の情報が集められ、価格や発電事業者の氏名、住所といった個人情報も含まれる。九州では九州電力送配電(福岡市)が利用を許されている。
九電では43人が閲覧するためのIDなどを知っており、42人が実際に使用していた。同システムへのアクセス記録を調べると、過去1年で計41人に延べ1215日分の接続記録が見つかった。システムは経産省が管理しており、不正利用の件数は把握できないという。九電送配電では従業員8人と、九電に転出した元従業員8人がIDの漏洩などに関わっていた。
閲覧した情報は顧客からの申請や記載不備の確認に使われた。本来は発電事業者に連絡して確認すべきだった。九電では閲覧した従業員の7割が不正利用と認識せず、社内教育に不備があった。九電送配電も定期的なパスワード変更などを怠っていた。
両社は21日、経産省に経緯などを報告した。福岡市内で同日記者会見した九電営業本部の栗山忠司部長は「不適切利用を重く受け止め、再発防止に努める」と陳謝した。九電送配電ではID管理の厳格化やシステム利用者を限定し、再発防止に努めるとしている。