フンドーキン、マレーシアで調味料発売 ASEAN攻略へ

老舗調味料メーカーのフンドーキン醤油(大分県臼杵市)は24日、マレーシアで現地製造した調味料の販売を子会社を通じて7月中旬に始めたと発表した。将来はマレーシアからインドネシアなど他の東南アジア諸国連合(ASEAN)の国へ商品を送り出すことも視野に入れる。
売り出したのはドレッシングと和風調味料の計4品目で、希望小売価格は日本円換算で約360円。日本からしょうゆを輸出し、現地で好まれる味わいの製品に仕上げた。いずれもイスラム教の戒律に沿っていることを示すマレーシアの「ハラル認証」(JAKIM認証)を取得している。
フンドーキンはASEAN事業を展開するための子会社AFCを2019年に立ち上げた。マレーシアではAFCが現地調味料メーカーと合弁で設けた「フンドーキンヤキン」が商品の開発・販売を担当。製造は現地メーカーに委託している。品ぞろえは順次拡充し、ヤキン社は10年後に売上高10億円を目指す。

AFCの小手川励人社長(フンドーキン醤油副社長)らが同日、大分県の広瀬勝貞知事に取り組みを報告した。商品を試食した広瀬知事は「練りに練ったいい味のソースだ。現地のみなさんに使ってもらい、日本や大分を身近に感じてほしい」とあいさつ。小手川氏は報道陣の取材に応じ、「フンドーキンヤキンをアジアで広く事業展開するためのハブに育てていく」と話した。
フンドーキンは1861年創業で、2021年12月期のグループ売上高は約170億円。1986年に就任した小手川強二社長がみそ、しょうゆに続く第3の柱としてドレッシング事業を育成し、業績を伸ばしてきた。励人氏は強二氏の実弟だ。2人の兄の小手川大助氏は元財務官僚で、現在は大分県立芸術文化短期大学の理事長・学長を務めている。