九州電力、不動産運用に進出 専任部署やファンドを組織

九州電力は不動産の運用事業を始めると発表した。私募REIT(リート、不動産投資信託)事業への参入を目指した専門部署を立ち上げ、このほど熊本市内の賃貸マンションを対象とする不動産ファンドを組成した。個別ファンドの運用で不動産の証券化に関する知見をため、九州エリアでの都市開発事業の拡大につなげていく。
3月までに、金融商品取引法における投資助言や代理業の登録を終え、7月には不動産アセットマネジメントの専門部署を立ち上げた。九電では現在は5人の担当者を中途採用などで増やし、将来は事業子会社の設置も視野に入れる。
第1号の不動産ファンドは三菱UFJ信託銀行の支援で組成した。16日に熊本市内にある地上13階建てのマンションを同ファンド経由で取得した。物件の管理は熊本県で不動産仲介を営む明和不動産グループが、融資など金融支援は三菱UFJ銀行が担い、出資者として九電不動産(福岡市)や東銀リース、芙蓉総合リースも参画した。
多額の資金を必要とする都市開発事業の拡大には、金融機関や投資家の支援を受け、借り入れを増やさずに事業資金を募れるリートの組成が有効になる。九電では私募リート組成を目標に、まずは個別ファンドの運用で実績を積む。