ゼンリン、MaaSで日立と協業 長崎で観光支援
ゼンリンは20日、日立製作所と次世代移動サービス「MaaS(マース)」の実証実験で協業すると発表した。ゼンリンが2021年秋ごろに長崎市で予定する観光支援の取り組みに、日立がキャッシュレス決済機能などを提供する。観光ルートの検索や、観光施設のチケット購入、決済をスマートフォンのアプリ上で手軽にできるようにする。

ゼンリンが観光型MaaS向けに開発するデジタル地図に、日立の決済や顧客管理のシステムを組み合わせる。実証実験の利用者に共通IDを付与して長崎の観光施設と商業地の移動ルートをゼンリンなどが把握したり、利用者が複数の決済手段を使えたりする。ゼンリンは、夜景で人気の稲佐山が東京タワーと同じ高さ333メートルであるといった情報を盛り込む。
日立はゼンリンと組み、実証実験で得られたデータを基に「地方創生」につながるプラットフォームの構築を目指す。今後、季節の繁閑などに合わせて観光施設や飲食店が料金を変更する「ダイナミックプライシング」の導入支援などを検討する。
ゼンリンは20年、長崎市に研究開発拠点を開設した。人工知能(AI)を活用した地図データ作成を研究する傍ら、地元自治体と観光振興に取り組んでいる。