官製談合容疑で副市長逮捕 宮崎日南市、協会会長も
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宮崎県日南市が発注した道路改良工事の指名競争入札で特定の業者に落札させたとして、同県警は19日、日南市副市長の田中利郎容疑者(63)=同市吾田東10=を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕した。公競売入札妨害の疑いで、小野建設社長の小野耕嗣容疑者(67)=同市酒谷=も逮捕した。
県警は19日、日南市役所や両容疑者の自宅を家宅捜索した。小野容疑者は日南地区建設業協会長で、県警に「協会内で会長主導の談合が常態化している」との情報があったという。県警は、小野容疑者が市発注の競争入札で建設各社への工事配分を主導していたとみて捜査を進める。
田中容疑者の逮捕容疑は、昨年10月9日に執行された市道改良工事の指名競争入札で、小野容疑者の請託を受けて数社を排除し、小野容疑者が指示した市内の建設会社に予定価格(約391万円)に近い385万円で落札させた疑い。小野容疑者は、指名入札で数社を外すよう田中容疑者に依頼し、特定業者に落札させて公正な入札を妨害した疑い。
県警は、入札に参加する協会所属の会社に小野容疑者が提示価格を指示し、従わない社を排除するよう田中容疑者に要請したとみている。
日南市の崎田恭平市長は19日、市役所で報道陣の取材に応じ「昨年末に職員が何人か(県警に)呼ばれたと聞いていた。市民に心配かけたことをおわびする」と述べた。
日南市によると、田中容疑者は1981年7月から同市役所に勤務し、建設課長を経て2013年から副市長。県警によると、市発注工事の指名業者を選定する委員会の委員長だった。〔共同〕