廃校のプールで太陽光発電、エルム 鹿児島で開設
電子機器などを研究・開発するエルム(鹿児島県南さつま市)は18日、廃校のプールを活用した太陽光発電所を同市内に開設し、通電式を開いた。太陽光発電パネルをプールの水面上に浮かべるフロートなどを自社開発し、これを組み合わせた浮体構造物上にパネルを敷き詰めた。同社ではこれまで難しかった廃プールの有効活用になるとしており、今回のものを含めて鹿児島県と岡山県に計15カ所を展開する計画だ。

旧津貫小学校のプールに370ワットのパネルを160枚設置した。年間発電量は6万1235キロワット時を見込み、九州電力に販売する。将来は蓄電池などを併設して災害時の地域の非常用電源としての用途も開拓する考えだ。
エルムによると、廃プールや防護柵、更衣棟などがそのまま再利用できるため、造成・整備費用がかからず、一般的な太陽光発電設備の3分の2程度の費用で設置できるという。プールの水で設備が冷却されるため、夏場の発電効率が10%程度改善するとしている。

エルムでは今後、自社整備に加えてシステム販売も進める計画。同様の施設が南さつま市内に8カ所、鹿児島県さつま町に2カ所、岡山県内に5カ所整備される予定という。