大分県信用組合・大分市・九州電力支店、脱炭素で連携
大分県信用組合と大分市、九州電力大分支店は27日、温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた包括連携協定を結んだ。これを受け、県信組は大分市内の14店舗で大分市民向けの新たな融資商品の取り扱いを始めた。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などを購入したり、太陽光発電や蓄電、EV用充電などの設備を導入したりする資金を借りられる。融資利率は年1.5%からとした。

大分市の久渡晃副市長は市が「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を目指すと表明していることを踏まえ、「今回の協定で市民・事業者・行政の協働による地球温暖化対策がより一層促進される」とあいさつした。九電執行役員である中村直樹大分支店長は「県の産業の中心で多くの人口を抱える大分市を含む3者連携は大変意義深い」と強調した。同社は地球温暖化対策に関する市民向けセミナー開催などに取り組む。
県信組の吉野一彦理事長は「環境経営にも軸足を置く金融機関として、県都を美しくグリーンなまちにすることに貢献したい」と力を込めた。県信組は地方創生と並ぶ「本業」として、脱炭素化の後押しにも21年から力を入れている。ESG(環境・社会・企業統治)を考慮に入れた投融資を30年で600億円と、11月末時点の約1.9倍に増やす目標を掲げている。
大分県信組、九電大分支店と県内市町村が脱炭素の実現へ協定を結ぶのは、宇佐市、中津市に続いて3例目になる。
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