福岡大が再生プラの研究拠点、強度高め再利用促す

福岡大学(福岡市)は7月に開設した再生プラスチックの研究拠点「超先端材料・リサイクル研究棟」を報道陣に公開した。使用済み食品用トレーなどを粉砕し、ペレット状にしてリサイクルする際、同大の八尾滋教授らが開発した装置を使って強度を高める技術の実用化を目指す。
プラスチックは成型時にかかる負荷などが原因で、時間がたつと強度が弱くなりやすく、リサイクルが難しかった。ペレット状に成型する際にプラスチックへの負荷を減らし、従来の最大10倍程度まで強度を高めることができるという。
八尾教授は「強度を高めることで、再生利用を増やすきっかけにできる」とし、一般利用が多いポリプロピレンとポリエチレンで研究を進める。現在は毎時20キログラムのペレットを生産できるが、企業の工場などで利用できるように生産量を10倍の200キログラムまで増やす。
研究棟の延べ床面積は273平方メートル。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに採択され、研究機材購入などで補助を受けている。