「やよい軒」のプレナス、MBOで非公開化へ 改革急ぐ

定食店「やよい軒」などを展開し東証プライムに上場するプレナスは14日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表した。塩井辰男社長の資産管理会社である塩井興産がTOB(株式公開買い付け)を実施し、プレナスは上場廃止になる見通し。原材料価格の高騰や人件費の上昇など外食産業を取り巻く環境が厳しくなるなか、非公開化を通じ経営の改革を急ぐ。
公開買い付けの期間は17日から11月29日まで。価格は1株2640円とし、14日終値(1920円)に38%のプレミアムを乗せた。買い付け予定数の下限は自己株を除く発行済み株式数の25%で、塩井興産が現在保有している分などと合わせて議決権の3分の2以上の取得を目指す。プレナスは14日の取締役会でTOBに賛同し、応募を推奨することを決議した。
プレナスが手掛ける外食事業は少子高齢化による国内市場の縮小に直面しているほか、足元では円安の進行で原材料価格の高騰が重荷となる。今後は中長期的目線で店舗の拡大や、サプライチェーンの効率化による物流コストの削減など経営改革に取り組む。
同日発表した2022年3~8月期の連結決算では、売上高が前年同期比3%増の732億円、純利益が同31%増の27億円だった。新型コロナウイルスに伴う行動制限が敷かれた期間が少なく、既存店売上高が回復した。