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九州・沖縄企業にコスト増の影 12月日銀短観

日銀福岡支店が13日発表した12月の九州・沖縄の企業短期経済観測調査(短観)で、全産業の業況判断指数(DI)は前回9月調査から7ポイント改善し、ゼロとなった。2年ぶりにマイナスを脱した。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、経済活動が活発化した。ただ原材料価格の高騰や人手不足といった活動再開に伴うひずみが、企業マインドの重荷となっている。

業況判断DIは景況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値だ。

非製造業のDIは9ポイント改善し、マイナス1となった。宿泊・飲食サービスと対個人サービスがいずれも31ポイントと大幅に改善した。九州が地盤の航空会社トップは「コロナが落ち着いているうちに、と11月ごろからビジネスを中心に動きが急に増えてきた」と話す。

製造業は4ポイント改善のプラス1だった。飲食店向け需要の改善で食料品が9ポイント上昇。民間・公共工事が増え、鉄鋼や非鉄金属などの業種でも改善が目立った。冨田淳支店長は「このところ横ばいが続いていた業況感がはっきりと改善した。ただ原材料や物流、エネルギーのコスト増を懸念する声も多かった」と指摘した。

原油や穀物相場の上昇は幅広い産業に影響が出ている。仕入れ価格判断DI(「上昇」-「下落」)は製造業が11ポイント上昇のプラス53で、2008年9月以来の高水準となった。非製造業もプラス31と10ポイント上昇した。

一方、販売価格判断DI(同)の上昇幅は全産業、非製造業ともに5ポイントにとどまった。イオン九州の柴田祐司社長は「食用油や小麦粉などの原価は上がっているが、ディスカウント店との対抗上、販売価格をあまり上げられず利益率が下がっている」と明かす。ただ「給料が上がらずモノの値段だけ上がると、財布のひもが締まる」と、値上げには慎重だ。

国際的な供給網の混乱も懸念材料だ。トヨタ自動車九州ではこれまでの減産分を取り戻す「挽回生産」に取り組んでいるが、東南アジアでのコロナ再拡大で部品供給が再び滞り、12月は現時点で工場の一部で5日半の稼働停止を予定する。短観の製商品在庫水準判断DI(「過大」-「不足」)は過去最低に迫るなど在庫不足が拡大しており、冨田氏は供給面でのトラブルが起きると「ショックを吸収できなくなっている」状況だと指摘する。

人手不足も顕在化してきている。雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は全産業で7ポイント低下のマイナス25と、全国の全産業(マイナス21)より不足感が強まった。冨田氏は「半導体を含めて九州では大型の投資案件が控える。デジタル化対応にも人材は必要で、経営者の人手確保への意欲は強まっている」と話した。

調査は11月10日~12月10日に実施し、九州・沖縄の1095社が回答した。オミクロン型の影響については「ほとんど反映されていない」(福岡支店)という。

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