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福岡市21年度予算案、初の1兆円台 中小向け融資枠拡大

福岡市が16日発表した2021年度予算案は、一般会計が20年度当初比で19%増の1兆545億円となった。1兆円の大台に乗るのは初めて。新型コロナウイルス対策に重点を置き、厳しい状況にある企業や地域経済を支えるため、中小企業向けの融資枠や公共事業費を過去最大規模確保した。一方コロナ禍による市税収入の落ち込みを受け、財源確保に財政調整基金の取り崩しや市債発行額を大幅に増やしており財政状況は厳しさを増す。

21年度予算案を発表する、福岡市の高島市長(16日、市役所)

「14カ月予算」として一体編成した20年度2月補正予算案と合わせた一般会計総額は1兆965億円になる。17日開会予定の市議会に提案する。

予算案の目玉であるコロナ対策関連には、全体の約4分の1にあたる約2800億円(うち補正分約212億円)を投じる。16日記者会見した高島宗一郎市長は「大変な状況にある地元経済を下支えする」と強調した。

中でも金融機関が中小企業へ資金を供給しやすくするための預託金には、2482億円を盛り込んだ。これにより融資枠は前年度当初予算の3.4倍となる5854億円と、過去最大規模を確保した。信用保証料の補助も実施し、利用者の負担を実質ゼロにする。

地域経済を下支えするための公共事業には、983億円(うち補正分158億円)を計上した。道路整備や学校校舎の改修などに充てる。同時にデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進にも目配りする。行政手続きや市民サービスのデジタル化・オンライン化の取り組みを進めるための予算を増やしたほか、民間向けでも中小企業のDXを支援する。

国際金融拠点都市の実現に向け、外資系金融機関などの誘致や金融フォーラムの開催費を計上したほか、外国人が暮らしやすいよう区役所などでの多言語対応も進める。IPO(新規上場)を目指す市内のスタートアップが、最高財務責任者(CFO)をはじめ高度専門人材を確保するためのマッチング事業も実施する。

コロナで苦境にある観光事業者を下支えするため、九州の他の自治体と連携した広域観光事業に取り組む。修学旅行など団体客を呼び込むため、福岡市を起点に九州での周遊観光を推進するための費用も盛り込んだ。

歳入面ではコロナ禍で個人・法人の市民税が大幅減となり、市税収入は7%減の3166億円を見込む。特に法人市民税は34%減、20年度から徴収を始めた宿泊税も60%減となる。地方交付税は20年度並みの315億円を確保した。

借金にあたる市債の新規発行額は、19%増の921億円を予定する。うち臨時財政対策債は55%増の435億円となる。21年度末の市債残高は20年度末から30億円増加して1兆1908億円になる見込みだ。市の「貯金」にあたる財政調整基金も取り崩す。19年度末時点は341億円あった残高は、21年度予算編成により142億円まで減少する。

財政状況について高島市長は「市民が苦しい時に支援するのは大切。財政規律は保っている」と述べた。ただ、コロナ禍がさらに長期化すれば、財政状況が悪化する可能性もある。

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