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JR九州、最終赤字189億円 21年3月期 コスト削減急ぐ

コロナで旅客需要減、上場後初の赤字

JR九州が12日発表した2021年3月期の連結決算は、最終損益が189億円の赤字(前の期は314億円の黒字)となった。新型コロナウイルス禍で旅客需要が落ち込み、16年の上場後初めての赤字となった。記者会見した青柳俊彦社長は「コロナの影響で非常に厳しい1年だった」と述べた。22年3月期はワクチン接種の広がりで需要が緩やかに回復すると予想し、129億円の最終黒字への転換をめざす。

決算発表するJR九州の青柳社長(12日午後、福岡市)

売上高は前の期比32%減の2939億円、本業のもうけを示す営業損益は228億円の赤字(前の期は494億円の黒字)だった。営業赤字は連結決算の開示を始めた2000年度以降で最大となった。

収益の4割を占める鉄道など運輸サービスの営業損益は376億円の赤字(前の期は198億円の黒字)に転落した。テレワーク利用や旅行自粛が広がり、鉄道収入は763億円とコロナ拡大前の20年3月期比で半減し、会社発足以降で最少となった。

多角化を進めてきた運輸以外の事業も打撃を受けた。人の移動が抑制され、不動産・ホテルの営業利益は半減し99億円に、流通・外食では営業損益が25億円の赤字になった。

20年9月時点で公表した売上高予想や利益予想は上回った。鉄道で一部の車両導入や工事を先送りし、単体で180億円、グループ各社で40~50億円、当初計画よりコストを削減。雇用調整助成金や時短協力金といった国の支援制度も下支えとなった。

22年3月期は売上高で17%増の3442億円を見込む。営業利益は106億円、最終利益は129億円とそれぞれ黒字転換をめざす。鉄道利用が「22年1~3月期でコロナ前の7~8割まで回復する」(森亨弘常務)との前提で運輸サービスは営業赤字を253億円縮減する。不動産・ホテルは6割増益、流通・外食では5億円の黒字回復をめざす。

コスト削減にも引き続き取り組む。仕事のやり方などを抜本的に見直すプロジェクトを立ち上げ、単体で140億円程度の「永続的なコスト削減」の見通しを立てた。グループ各社でも数十億円単位のコスト減を見込んでいる。

一方でポストコロナを見据え、前期は手控えていた投資を再開する。21年3月期の設備投資額は1240億円を計画。このうち成長投資に799億円を充てる。西九州新幹線の車両投資や長崎駅や鹿児島中央駅での再開発を予定し、投資額は過去最大となる。

同日、青柳社長と唐池恒二会長が続投する人事を発表した。青柳氏は社長就任から8年目となる。「次の発展的な中期経営計画を現経営陣で作り、バトンタッチするべきだと判断した。コロナの収束を待つのではなく、迅速かつ抜本的な改革を推し進め、持続的な成長の道筋をつけたい」と語った。

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