/

埋まらぬ本土との格差 データで読む沖縄復帰50年

沖縄が本土に復帰し、15日で50年を迎える。人口規模や経済力は成長した半面、本土との経済格差など課題も依然として山積している。半世紀の歩みと現状をデータやグラフで読み解く。

(1)唯一の人口増加県、減少局面の足音も

沖縄県は本土復帰以来、人口増加が続いている。都道府県でプラスを維持しているのは沖縄のみ。総務省が4月に発表した人口推計によると、2021年10月1日時点の人口は146万8千人。復帰した1972年の97万人から5割増えた。

21年の増加率は0.07%と復帰後で最も低かった。国立社会保障・人口問題研究所の18年推計では沖縄の人口増は30年ごろまで続いた後、減少に転じる見通しだ。人口減社会の到来に備え、外国人の受け入れ拡大などの取り組みも始まっている。

(2)観光客数は「ハワイ並み」に 消費額の伸び悩み課題 

復帰後に「海のリゾート」としてのブランドを築いた沖縄。2019年には観光客数が1000万人を超え、復帰当初(44万人)の23倍に増えた。観光客数では米ハワイに肩を並べたが、新型コロナウイルスの感染拡大で需要環境は一変。21年は301万人とコロナ禍以前に比べて7割減った。

国内有数のリゾート地である半面、沖縄の観光業は「滞在日数の短さ」「消費額の少なさ」「夏に偏る需要」の三重苦で収益力が伸び悩んでいる。長期滞在客の開拓をはじめ、基幹産業の構造改革が急務となっている。

(3)最下位圏の県民所得 全国平均より3割少なく

1人当たりの県民所得は2018年度で239万円と全国で最も低く、全国平均の7割程度で推移している。非正規従業員比率も17年に43.1%と全国最高で、雇用環境は本土に比べて不安定だ。ひとり親家庭の割合も高く、子どもの教育投資に回せない「貧困の連鎖」が課題となっている。

企業のESG(環境・社会・企業統治)投資への関心の高まりを生かし、貧困などの課題解決を目指す動きも出てきた。県内外の企業が連携し、シングルマザーをIT(情報技術)人材に育てる事業をはじめ、新たな試みも相次ぐ。

(4)県内総生産、4割は「官需」 国への依存度高く 

観光業と並び、本土復帰後の沖縄経済を支えてきたのが公共事業だ。県内総生産のうち公共投資など公的支出の割合を示す「公的依存度」は39%と全国で4番目に高い。県の財政力に比べ、依存度の高さが目立つ。産業構造に占める建設業の割合も13.5%(2018年度)と全国平均を8ポイント上回る。

国の財政支援で社会資本の整備が進んだ半面、国への依存体質が強まる弊害も生まれた。ITなど新たな地場産業を育成し、復帰後の目標である「自立型経済」を確立できるかが問われる。(児玉章吾)

沖縄復帰50年特集ページはこちら

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

沖縄復帰50年

1972年の沖縄の本土復帰から半世紀。基地問題や観光振興など、これまでの歩みと未来への取り組みを伝えます。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連キーワード

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン