熊本知事、台湾でTSMC幹部と会談「信頼関係に手応え」

【台北=近藤康介】熊本県の蒲島郁夫知事や同県経済界の代表らの台湾訪問団は12日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の本社を訪れ、同社の廖永豪(ワイエイチ・リャオ)副総経理ら幹部と会談した。蒲島知事は会談後、記者団に対しTSMC側と「相互の信頼関係が深まった」と手応えを見せた。
蒲島知事ら訪問団は同日午後、台湾・新竹でTSMC幹部らと非公開で意見交換した。熊本県菊陽町でTSMC新工場の建設が進む中、蒲島知事らは現地のインフラ整備や駐在員向けの住宅整備、帯同する子弟への教育面の受け皿作りなど現状を説明。新工場の運営会社JASMの会長も兼務する廖副総経理からは、こうした対応に謝意が伝えられたという。
蒲島知事はTSMC本社について「ずっと来たくてようやく来れた。想像を絶する広さや工場群に驚いた」と話した。TSMCの魏哲家・最高経営責任者(CEO)が同日、オンラインで開いた2022年12月期決算の記者会見で日本で2番目となる工場の建設を検討していることを明らかにしたが、会談では「話は出なかった」という。
熊本からの訪問団は、台湾との経済的・文化的交流を深めることを目的に11日から14日まで滞在。TSMCのほか中華航空(チャイナエアライン)の本社なども訪れ、台湾との結びつきを深めようとしている。県などは当初、2022年10月の訪問を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期していた。

九州で「シリコンアイランド」復活に向けた動きが広がっています。半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を機に、関連企業が九州に集まりつつあります。最新のニュースを伝えます。